関節保護に関わる健康食品とメディカルダイエット

膝の関節を保護するためには、加齢によってすり減っていく軟骨の成分を補って軟骨を再生することと、潤滑成分によって滑りをよくして軟骨の摩耗を減少させることが必要になります。軟骨成分と潤滑成分を摂っても効果がないという人がいますが、軟骨成分も潤滑成分も水分を吸収すると粘度が高まり、他の成分を吸着して塊が大きくなると吸収されにくくなるので、空腹時に摂ることが重要となります。
グルコサミンはカニやエビなどの甲殻類の殻のキチン質に含まれる成分で、糖とアミノ酸が結びついたアミノ糖の一種です。細胞の結合を促進する働きがあり、軟骨や爪、腱、靭帯、皮膚などに多く存在しています。軟骨の成分であり、膝関節などの軟骨のすり減りを防ぎ、軟骨の再生を促進し、膝や腰などの関節の痛みを改善する作用があります。サプリメントのグルコサミンは甲殻類を原料としたキチン質を塩酸または硫酸で加水分解して作られたものが多いため、甲殻類アレルギーの人は注意が必要です。
コラーゲンは皮膚、血管、腱、歯などに含まれる人体に最も多い繊維状のタンパク質で、細胞を結びつける役割をしています。人体の全タンパク質の約30%を占め、全コラーゲン量の約40%が皮膚に、約20%が骨や軟骨に含まれています。年齢につれて体内で合成される量よりも分解される量が増えるために不足しやすく、不足すると骨の老化が進みます。食品では豚骨、魚の煮汁、ゼラチンなどに多く含まれます。サプリメントとしては加水分解して分子量を小さくしたコラーゲンペプチドが使われています。骨の形成、関節痛の改善、肌の弾力の維持などの作用があります。コラーゲンはビタミンCによって体内での合成が高まります。コラーゲンには、骨や皮膚を構成するⅠ型コラーゲンと、軟骨を構成するⅡ型コラーゲンがあり、関節の強化にはⅡ型コラーゲンが適しています。
コンドロイチンは体内の結合組織を構成するムコ多糖類の一種で、水分を含んで粘着性を持ち、関節などの潤滑液の役目をします。関節の軟骨の破壊の防止、関節痛の改善などの作用があります。牛、豚,サメ、イカの軟骨など動物性由来のものから製造されます。軟骨を増やすグルコサミンとともに、膝関節の改善のサプリメントに使われています。
ヒアルロン酸は体内に存在する細胞と細胞の間を埋めるムコ多糖類の一種で、粘度が高く、保水率は自重の6000倍にも及びます。加齢とともにヒアルロン酸が減少するため、不足すると関節の老化が進みやすくなります。関節の潤滑成分としても働き、関節痛の改善の作用があります。サプリメントとしては鶏冠(トサカ)からの抽出のほか、乳酸菌などから作られるものもあります。
UC‐Ⅱは、鶏軟骨(鶏冠)から抽出した天然Ⅱ型コラーゲンで原材料とした非変性活性Ⅱ型コラーゲンです。コラーゲンは加熱によって変性することから、加熱せずに加工されています。骨の材料、細胞の接着剤の役割をするⅠ型コラーゲンは皮膚などの材料になりますが、軟骨の材料にはなりません。軟骨に運ばれやすく、軟骨に定着しやすいコラーゲンであるため、軟骨がすり減ることで起こる変形性膝関節症の予防・改善に使われます。