雄町米は原点に戻る象徴か

日本メディカルダイエット支援機構の本部を岡山市内に移したとき、日本酒好きの理事長に、日頃から付き合ってきたメディア関係者の多くは「いつでも雄町の酒が飲めるからか」という反応をしたものです。雄町米を酒米(酒造好適米)とする日本酒は非常に人気が高くて、全国の酒造会社でも雄町米100%を謳い文句にした美味い酒も増えていて、東京でも各地の酒造会社のものが手に入ります。「わざわざ岡山に行かなくても、いつでも飲めるのに」と引き止めるようなことを言う人もいましたが、さすがに雄町米の産地である岡山県には雄町米で作られた日本酒は数多く、雄町米だけで頑張っている酒造会社もあります。
本部を移したのは岡山市東区瀬戸町で、合併で岡山市になりましたが、地元の方々の感覚は依然として瀬戸町のままという感じがします。旧瀬戸町は以前は赤磐郡に属していて、赤磐郡は山陽町、赤坂町、熊山町、吉井町、瀬戸町の5町でした。瀬戸町以外は合併によって赤磐市となりました。雄町米の元々の産地は旧上道郡高島村雄町(現在は岡山市中区雄町)というところで、宅地化で徐々に東に産地が移動していって、今では瀬戸町と赤磐市の赤坂地区(瀬戸町の北側)が主な産地となっています。雄町米は背丈が高く、実るまでに期間がかかり、稲刈りは最後になります。当法人の本部の近くには、その稲刈りが最後の田圃が近く、地元で作られた雄町米が使われた日本酒を飲める得意な地域といえます。
雄町米を新しい酒米と勘違いしている人もいるようですが、雄町から短稈渡船が生まれ、これと山田穂の掛け合わせで生まれたのが山田錦です。五百万石も雄町を祖先としています。雄町米は元祖の酒米ということです。
岡山県には朝日米という一般食用米(飯米)も栽培されています。一般米は酒造には向かないとされる中にあって、岡山県内の酒造会社は朝日米でも酒造をしています。それだけ力のある米といえるのですが、朝日米と他の米の掛け合わせでコシヒカリもササニシキも誕生しました。つまり、朝日米はおいしい米の祖先で、品種改良されていない希少な在来品種です。
雄町米の日本酒を飲み、朝日米のご飯を食べながら、原点に戻っての活動をする意味を思い、そして健康づくりの活動についても原点を重視した活動を地元で着手する意義、地元から全国に広げていく意義を強く感じているところです。