食後のサプリメントで眠くなるのか

サプリメントの摂取といえば、食後という人が多いようです。食事の後に薬を飲むのと同じ感覚で、サプリメントの取り忘れがないタイミングであるのは間違いありません。食後に薬を飲むのは、薬が効きすぎないようにするという理由もあります。例えば、血圧や血糖値を下げる薬は急に吸収されると血圧や血糖値が下がりすぎる危険性があります。ところが、食事の後に飲むと吸収がゆっくりとなることで効きすぎが抑えられるということがあります。また、薬が胃を荒らすのを防ぐという意味もあります。
食後にサプリメントを摂ると眠くなって、そのまま寝て、夜中に目が覚めて寝つけなくなるという人がいます。そのことについてサプリメントに詳しい医師やサプリメント指導の先生に聞いてみました。その答えが多彩で、夕食後に眠くなるのは普通のことで、昼間の間に頑張りすぎているのではないか、という意見があり、自律神経が興奮系の交感神経から抑制系の副交感神経に切り替わるのが夕方なので、サプリメントの摂取と関係ないのでは、という考え方です。
しかし、サプリメントを摂らないときには眠くならないということもあり、サプリメントの影響を考えてほしいとお願いしたところ、「亜鉛には眠くさせる作用がある」という情報を寄せてくれた方がいました。調べてみると、そういった事実もあったのですが、もしも亜鉛のサプリメント摂っていない場合のことを聞いてみました。そこで返ってきたのは「肝臓に負担がかかっていることが考えられる」とのことです。
肝臓は栄養素を分解する器官ですが、分子レベルで見ると食べ物も有害物も毒もサプリメントも同じで、多くの量が入ってくると肝臓に負担がかかり、肝臓が頑張って働くことで疲労感が生じます。このことが眠くさせるのではないかということです。肝機能は年齢を重ねると低下しやすく、特に日本人は肝臓が小さいことから肝機能が低下しやすくなっています。というのは、肝臓は体重の50分の1のサイズなので、身体が小さい日本人は機能が低下しやすいことが指摘されています。
人間ドックの実態調査では本人は意識していないのに、肝機能の低下が指摘されるのは4人に1人という報告があり、肝機能が低下している場合には有効成分が凝縮されているサプリメントは危険性もあります。肝臓のためにとウコンを摂っている人もいますが、ウコンの健康被害では肝臓に影響が出ている人が多くなっています。ウコンは漢方では鬱金という医薬品成分で、ウコンの摂りすぎは肝臓に負担をかけることになります。お酒を飲む人にはウコンはアルコールとアセトアルデヒドの分解効果はあっても、飲まない人には肝臓に負担をかける危険性があるということも教えてもらいました。