飲酒すると内臓脂肪が増える

飲酒をすると太る理由について、あるスポーツ紙からネタの提供を求められました。それに対して、以下のような返答をしました。
脂肪が多く含まれた食品を多く食べれば、それだけ内臓脂肪として蓄積されるが増えるというのが原則的なことです。しかし、脂肪の摂取量に比べて、内臓脂肪が蓄積されやすい人がいます。その理由の一つは遺伝子の違いです。肝臓では、エネルギーとして使われなかったエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)は脂肪(中性脂肪)に合成されています。遺伝子のタイプによっては、脂肪の合成が進みやすい人がいます。一般にはβ3アドレナリン受容体遺伝子の持ち主だとされています。
こういった遺伝子タイプでなくても、飲酒の機会が多い人、飲酒量が多い人は肝臓での脂肪の合成量が多くなります。それは、アルコールに肝臓での脂肪の合成を促進させる作用があるからです。アルコールは1g当たり約7kcalのエネルギー量があります。脂肪のエネルギー量は約9kcal、糖質とたんぱく質は約4kcalなので、脂肪よりも少しだけ低めのエネルギー量があります。飲酒をすると消化が進みやすく、食欲も増進するので、どうしても食べすぎる傾向があり、それも飲酒によって太る原因となっています。