飲酒すると食欲が増進する理由

甘いものというとスイーツやフルーツだけでなく、アルコール飲料も甘くすることでスイーツ感覚で楽しまれるようになっています。
アルコールは1g当たり約7kcalのエネルギー量があります。これは100%アルコールの場合で、アルコール度数が25度(25%アルコール)の場合には、4分の1のエネルギー量になります。日本酒1合(180ml)ではアルコール度数13度の場合には約140kcalとなります。飲酒量が多くなると、それだけ摂取エネルギー量が多くなり、さらに食欲が増して食べすぎることになりかねません。
アルコールは肝臓からブドウ糖が放出されるのを抑制する作用があることから、飲酒後には血糖値が低下して、空腹を感じるようになります。そのために飲酒後には糖質が多いラーメンや甘いものを食べたくなり、その結果、かえって血糖値が上昇することになります。
飲酒と糖尿病の関係について調べた大規模コホート研究によると、男性は飲酒量が多くなるほど血糖値が上昇して糖尿病のリスクが固まることが確認されています。血糖値が上昇すると、肝臓での脂肪合成が高まるため、どうしても太りやすくなります。飲酒をすると食欲が高まりやすく、それも太る原因となっているのです。
大規模コホート調査というのは、特定の要因があるグループとないグループを長期間に渡って追跡調査することです。通常は1万人以上を対象としています。飲酒と糖尿病の研究では、4地域の40~59歳の各約2万人の男女を対象として10年間の追跡調査の結果から飲酒と2型糖尿病の関連が調べられました。それによると、1日に日本酒換算で1合以上の飲酒をしていた男性は発症リスクが1.3倍高くなっていました。女性では、関係性がわかるほどの変化は見られませんでした。この調査では男性の場合のBMIとの関係についても調べていますが、BMIが22以下の男性では非飲酒者に比べて1合までの飲酒者は変化がなかったのに対して、2合まででは1.9倍、2合以上では2.9倍も発症リスクが高まっていました。