高齢者の慢性疾患はウォーキングで予防する

高齢者は慢性疾患が多く、複数の疾患を抱えているとは以前から言われてきたことですが、東京都の75歳以上の後期高齢者131万人の診療情報明細書の情報を東京都健康長寿医療センター研究所が分析したところ、約8割が2つ以上の慢性疾患を併存していて、3つ以上の慢性疾患を並存しているのは約6割だということを突き止めました。慢性疾患の高血圧、脂質異常症、糖尿病などは中年期で運動や食事管理を適切に抑えられます。また、ウォーキングによって効果的に血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値を正常に保つことができるようになることから、後期高齢者の慢性疾患予防のためには歩く機会を増やすことがすすめられます。
頻度が高い3疾患の組み合わせは、男性では高血圧症、潰瘍性疾患、虚血性心疾患(12.4%)、次いで高血圧症、脂質異常症、潰瘍性疾患(11.0%)、女性では高血圧症、脂質異常症、潰瘍性疾患(12.8%)、次いで高血圧症、潰瘍性疾患、脊椎・関節疾患(11.2%)となっていました。
疾患によって医療費が異なることから、医療費が高い組み合わせを知りたいところですが、3疾患の組み合わせで頻度が15位までの中で、1年間の平均外来医療費が高かった組み合わせは、男性では高血圧症、潰瘍性疾患、悪性新生物(がん)の827,644円(7位で7.6%)、次いで高血圧症、潰瘍性疾患、脊椎・関節疾患の762,176円(10位で7.4%)、女性では高血圧症、潰瘍性疾患、不眠症の682,811円(6位で8.0%)、次いで高血圧症、潰瘍性疾患、脊椎・関節疾患の574,710円(2位で11.2%)となっていました。
日本人の生涯医療費は厚生労働省のデータによると2700万円で、70歳以降に半分が使われています。つまり、70歳を超えると複数の疾患を抱えて、医療費がかかる一方になっているということです。