10代後半の女性に糖質制限は大丈夫か

「孫世代の10代後半に健康づくりの正しい情報提供を」ということを前回書いたところ、さっそくメディア関係者から問い合わせが相次ぎました。協力の申し出を期待していたところですが、「10代後半にアピールする方法として何をやろうとしているのか」、「10代後半にウケるネタを教えてほしい」という声が多く、やっぱりという感じでした。そんな中に「10代後半に糖質制限をすすめても大丈夫か」という質問がありました。糖質制限については身体が完成した段階の年代や高齢者の場合の話は過去にも取り上げ、それに関する情報提供もしてきましたが、成長途中の段階での制限はどうなのかということは触れてきませんでした。
触れてこなかったのは重要でないと思っていたからではなく、10代後半にアピールする場が少なかったからです。なかったのではなく少なかったと書いたのは、ダイエットSNS最大の「ダイエットクラブ」のラボに日本メディカルダイエット支援機構が監修するダイエットコンテンツを提供しているくらいで、それ以外は直接的な情報提供のルートがなかったからです。しかし、これから始まるダイエットコンテンツの提供先は15〜30歳の女性がメインの情報メディアで、正しいダイエット情報を正しく伝えて、健康づくりを根幹から支えていきたいという願いが一致しています。
今は仕組みの構築とコンテンツの作成に取りかかっていて、詳しいことは実際に情報提供が始まってから報告させてもらいますが、今ここでは10代後半の女性に糖質制限は有効なのか、そもそもやっても大丈夫なのかという話をさせてもらいます。
糖質制限の理屈は、ブドウ糖による脂肪合成の抑制です。糖質食品に含まれるブドウ糖が血糖値を上昇させて、それによって分泌されるインスリンが余分となったエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にして脂肪酸を合成すると同時に、脂肪酸が3個結合してできた中性脂肪を脂肪細胞の中に蓄積させる働きがあります。ブドウ糖が血糖値を上昇させることが始まりなので、ブドウ糖を減らすことが体脂肪を減らす基本となっています。
ブドウ糖は細胞の中で最もエネルギーに代謝されやすく、細胞の中で作り出されたエネルギーは細胞を正常に働かせて、成長させていく重要なエネルギー源となっています。ブドウ糖によって体脂肪が蓄積されるなら、その体脂肪をエネルギーとして代謝させればよいわけで、体脂肪を代謝させる、つまり一般でいうところの燃焼させるために身体を動かす機会を増やすことです。成長期の締めくくりの10代後半には食べる量を減らすのではなく、エネルギーを作り出すための運動をすすめるようにしています。
また、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源で、脳を充分に働かせるためにも、もちろん必要であり重要ですが、脳が全身の働きをコントロールしています。脳は全体の2%しかないのに全エネルギー量の18%ほどを消費しています。糖質が摂取エネルギー量の半分だとすると、40%近くが脳で使われていることになります。だから、10代後半に限らず、厳しい糖質制限によって脳のエネルギー源が不足するようなことはしてはいけないということです。