100kcalの菓子を食べたら100kcal分を歩けばよいのか

お菓子を食べたら、その分だけ運動をすればよい、ということは普通に考えることです。お菓子のパッケージにはエネルギー量が表示されているので、例えば100kcal分だけを食べようとすれば、それは可能となっています。100kcalのエネルギー量を摂取するのは一瞬のうちですが、運動で100kcalを消費するとなると、かなりの時間がかかります。
日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイドライン」によると、100kcalを消費するのにかかる時間は軽い散歩では30分前後、速歩で約25分、ランニングでは10分と示されています。これだけの運動をしたら100kcal分のお菓子を食べてもよいと考えがちです。もっと食べてもよいという意見あり、運動をして筋肉が鍛えられると消費エネルギー量が増えるというのが、その理由です。単純に計算すれば、そうなるのかもしれないのですが、そもそも本人の摂取エネルギー量と消費エネルギー量が適切な状態になっているかどうかを考えてみるべきです。食べすぎで、もっと運動をしなければならない人が100kcal分を食べたら、100kcalの運動で済むはずはありません。
日本メディカルダイエット支援機構の理事長は身長が168cmで、これを1日の消費エネルギーの計算式に当てはめて標準体重を計算すると、「1.68×1.68×22=62.0928」となります。22というのはBMI(体格指数)で、日本人は22のときに最も病気になる可能性が低くなっています。理事長の体重は62kgなのでピッタリです。標準体重に年齢による基礎代謝基準値の21.5(男性50〜69歳)をかけると基礎代謝量が求められます。「62×21.5=1333」となり、この基礎代謝量に身体活動レベル(ふつうなら1.75)をかけます。「1333×1.75=2332.75」となり、1日に約2332kcalの摂取エネルギーであることがわかります。
実際に食べているエネルギー量をメニューから調べてみて、これ以上を食べていたら、10分といわず20分でも30分でもウォーキングの時間を長くするということになるわけです。