100kcal単位のダイエット

NHKのバラエティー番組でメタボリックシンドドームが取り上げられ、体重を3%減らすだけで内臓脂肪が減らなくても生活習慣病のリスクが抑えられるということが紹介されていました。そのときに1日の目標として、1日に50gの食事量を減らすことが紹介されていました。50gを減らすだけなら、茶碗1杯(約150g)のうちの3分の1を減らすだけです。1日三食を3分の1ずつ減らすのではなくて、一食だけ3分の1の50gを減らすだけなら、目標としてはハードルが低いと感じます。
テレビ番組では、これだけのことで内臓脂肪が減って、リバウンドもないということで、1日に50g減を健康指導に取り入れている電機製造会社の例を示して、72%の人はメタボリックシンドロームが改善されて、リバウンド率は20%以下という好結果を示していました。
これに続いて、100kcal単位の食事量と運動量を掲げて、どれくらい食事量を減らせばよいのかを紹介していました。2週間で体重を3%減少させるためには1日に300kcalを減らせばよいということで、これはご飯にすれば1杯半の量になります。先の50gの減少との整合性ですが、糖質は1gあたり約4kcalなので、200kcalとなります。同じテレビ番組の中で300kcalと200kcalと1.5倍の開きを示したのは気になるところですが、ご飯1食分を減らすのと、その1.5倍では、毎日続けるとなると、かなりの違いとの感覚があります。
メディカルダイエットをすすめる立場としては、できることなら無理をしない200kcalにして、空腹時に運動をして、そのあとに食事をすることで脂肪蓄積を減らす手法にチャレンジしてほしいものです。
NHKのバラエティー番組の公式サイトでは、50gダイエットをマイナス300kcalで、100kcalの食事量のカードを示しています。なんだか目新しい感じもしますが、実は日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、慶應義塾大学病院の山下光雄先生と一緒に日本100キロカロリーダイエット協会を立ち上げて、病院給食や産業給食を対象にして栄養管理システムを打ち上げました。
今でこそ日立製作所が100kcalダイエットの代表のように思われていますが、臨床栄養の世界では以前から100kcal単位の栄養学といえば山下光雄先生と言われてきました。
この話をするとメディア関係者は驚くよりも、先に検索をして「なるほど」と言ってくれて、これまで続けてきたことに自信を抱いているところです。