20分間の早歩きができないときにはポールを使って歩く

ウォーキングは、この方法が一番という正解はないのかもしれません。「歩くのは健康によいので、歩いていれば健康だ」とウォーキング研究の大家が発言したことから、ウォーキングイベントを開催している団体の方々の中には「早歩きをすることはない、ゆっくりでも長く歩くことがよい」という考えを示すことがあります。これは“万歩運動”をやってきた影響のようで、今でも1日1万歩は最低限の歩行数で、2万歩も3万歩も歩くと褒められることがあります。
「今でも」と書いたのは、今では1日に1万歩ではなく、高齢者の場合は8000歩を目指して、そのうち1日に20分間は中強度の速歩をすることがすすめられています。中強度の速歩は、なんとか会話ができる程度の速度を指しています。この速度で20分間歩くと2000歩程度となります。もちろん歩幅によっても異なるのですが、ウォーキングで8000歩を目指す必要はなくて、家の中で歩いた分も含めて8000歩でよいので、ウォーキングとして積極的に歩こうとするときには2000歩ほどを目指すことでもよいということです。
早歩きをするのは筋肉を刺激して、血流を促進して、心肺機能を高める効果が求められています。その効果があるなら別の歩き方をしてもよいのではないか、ということも考えられます。中強度の早歩きをしようと思っても、足腰のトラブルや体力の低下などから歩行速度が一定以上には高まらない人がいます。それでは中強度の速歩の効果が得られないのかというと、用具を使えば同じような効果、使い方によっては同等以上の効果が得られます。その用具というのはノルディックウォーキングのポールです。2本のポールを左右に持って、上半身も使って、グイグイと前進するように歩くと全身の筋肉のうち90%を使うことができます。まずはポールを用いて勢いよく歩くことで対応していると体力が高まってきて、ポールなしでも早歩きをすることができるようになっていきます。そうなることを目指して、ポールを使って2000歩を歩くことをすすめているのです。