74歳以下は75歳以上の何を支えればよいのか

2018年は後期高齢者の数が前期高齢者の数を上回る記録に残る年です。日本の高齢者は増え続け、高齢化率は27.3%(2017年)に達していますが、これまでは前期高齢者(65〜74歳)が後期高齢者(75歳以上)を上回ることはありませんでした。初めての出来事だけに、画期的な対策がなされるのかと思って待ち構えていたのですが、10月末になっても、まだ大きな出来事はないという印象です。
後期高齢者が前期高齢者よりも多くなることを見越してか、2017年に日本老年学会と日本老年医学会は高齢者の年齢を65歳から75歳に引き上げることを提言しました。この提言によると65〜74歳は准高齢者、75〜89歳は高齢者、90歳以上は超高齢者とされています。その背景には65歳でも身体的に若くなっていることがあるのですが、今や65〜74歳は高齢者として支えられる側ではなく、75歳以上を支える側であるという考えがあります。
ここで問題となるのは、支えるために何をするかということです。個人的、家庭的には生活の支援をして、介護が必要な場合には介護をすることですが、社会的に何をするのか、それに参加する私たちのような特定非営利活動法人(NPO法人)は何をすべきなのかということになります。日本メディカルダイエット支援機構としては、運動支援に取り組んでいます。
運動の中でも有酸素運動は心肺機能を高めるとともに認知機能を高めることが認められています。無酸素運動は筋肉を強化する効果があり、筋肉低下から日常生活に支障が出るフレイル対策には筋肉強化の運動は欠かせません。その両方を実現する運動法は数多くあるのですが、75歳以上の方でも続けられて、効果が得られる運動となると、そう多くはありません。そこで私たちは多くの方が可能な歩くことを運動にするインターバルウォーキングをすすめています。インターバルウォーキングは速歩と普通歩行を交互に繰り返すもので、対象者によって速歩と普通歩行の時間、速歩の速度を変えています。
歩くことを運動にするといっても、速歩ができない人もいます。そこで私たちはノルディックウォーキングを応用したポールウォーキングによって、歩行のサポートをしています。ノルディックウォーキングとポールウォーキングの違いは別の機会に明らかにさせてもらいます。