L‐カルニチンの摂取タイミング

R‐αリポ酸(天然型のα‐リポ酸)とコエンザイムQ10の効果的な摂取タイミングについて紹介したところ、雑誌記者からL‐カルニチンの摂取タイミングについての質問がありました。三大ヒトケミカルの、すべてを取り上げてほしいということですが、L‐カルニチンはα‐リポ酸のように空腹時に摂らなければいけないとか、コエンザイムQ10のように食後に摂らなければいけないというタイミング状の問題はありません。L‐カルニチンは水溶性なので、空腹時に摂っても食後に摂っても吸収されないということはありません。
それならば摂取タイミングは関係ないのかというと、実は、そうではありません。L‐カルニチンについて説明をすると、肉に含まれている成分で、特に羊肉には多く、羊肉の中でもラム(生後1年未満の子羊)よりもマトン(生後2年以上の成羊)のほうがL‐カルニチンは多くなっています。羊肉を多く食べているニュージーランドやモンゴルの人たちがパワフルなのは、L‐カルニチンによって脂肪酸の代謝が盛んであるからだと言われています。羊肉を食べると太らないと言われたのは、L‐カルニチンの働きによるものです。
R‐αリポ酸はブドウ糖の代謝を促進していますが、ブドウ糖は1gあたり約4kcalのエネルギー量があるのに対して、脂肪酸は約9kcalと2倍以上のエネルギー量となっているので、L‐カルニチンの摂取はエネルギー代謝を盛んにしてくれるということです。
L‐カルニチンは肉に含まれているだけに、動物性たんぱく質との相性がよく、動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収率が高まります。日本メディカルダイエット支援機構の副理事長はL‐カルニチン研究の第一人者で、L‐カルニチンとたんぱく質の相性試験を行っています。実際には卵、卵かけご飯、ご飯とL‐カルニチンの吸収性を調べたところ、卵、卵かけご飯、ご飯の順になっていました。動物性たんぱく質は卵、肉、魚、乳製品に多く含まれているので、これらの食品を食べるときにL‐カルニチンを摂るようにしたほうがよいということです。