L‐カルニチンの機能性評価が低い

三大ヒトケミカルの一つのL‐カルニチンは水溶性であるので、いつ摂っても吸収されます。吸収率は15%ほどと、低いわけではありません。L‐カルニチンは筋肉に多く蓄積されている成分で、細胞のミトコンドリアに脂肪酸を取り込む作用があり、燃焼を促進する働きがあります。15%の吸収率というのは、肉類などたんぱく質が含まれた食品と一緒に摂った場合の数字です。たんぱく質がないと吸収率は低下します。
三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は、医薬品の成分だったものが食品としても販売できるようになったものだけにエビデンス(科学的裏付け)が明らかです。しかし、食品として許可された2002年から数年は脂肪の燃焼促進効果はない、というようなことが言われたものです。というのも、そのようなことを言っている専門家が海外の文献を引用していたからです。
欧米人は歴史的に肉類を多く食べてきました。L‐カルニチンは肉類に多く含まれています。また、脂肪も多く摂っていることから、脂肪を燃焼させるL‐カルニチンが体内に多く蓄積されています。筋肉の中に含まれるので、体格がよくて筋肉量が多い欧米人は蓄積量が多くなっています。そのため、サプリメントとしてL‐カルニチンを摂っても効果が上がりにくいのです。
それに対して日本人はL‐カルニチンの蓄積量が少なく、加齢によって特に減少しやすいので、効果が現れやすくなっています。日本でL‐カルニチンの最大シェアがあるスイスの会社は、日本人の試験データを蓄積して、脂肪燃焼効果の高さを証明しています。
それなのに、いまだに海外のデータを引用したり、過去の文献からデータを引いている専門もいて、さらに古いデータを引き写してインターネットなどに掲載している人も多く、こうした間違いが払拭されないという不幸なことが起こっています。