PCR検査は3時間で結果が出せるのか

新型コロナウイルスに感染しているのか、それとも感染していないのかを知るために実施されるPCR検査はウイルスを培養して増やさないと検査ができないということで、検査をした当日か翌日以降に結果が出るということになっています。感染していないことを証明する陰性証明書は、渡航や施設の出入りのための安全証明の期間として72時間以内の結果が求められます、検査をしてから陰性証明書を提出するまで3日間しかないので、できれば当日に結果が出て、証明書を出してくれる医療機関が求められています。
クリニックなどに検査装置が導入されていれば3時間の培養後に、すぐに検査結果が出れば、あと30分、つまり3時間30分後には陰性証明書を受け取ることができます。これに対して、検査機関に持ち込んで対応する場合には、特急扱いでなければ、夕方までに受け取った検体(唾液サンプル)を、それ以降に検査機関に運び、そこから培養をするので、結果が出るのは早くても22時や23時にはなります。持ち込まれる検体が多いところでは順番待ちもあるので、朝までに結果が出て、その報告を受けた医療機関が開院時間になって陰性証明書を出すということになります。
自宅なり職場に送られてきた唾液採取容器に唾液を採って、それを宅配便などで配送する場合には4重包装にして、通常の配送ルールで医療機関に送るので、当日の対応は無理で、どうしても翌日以降の検査と結果報告になります。それなのに外部の検査機関に出していて、3時間後に結果が出るということを売り物にしている会社もあります。少なくとも配送に30分はかかります。培養に必要な3時間よりも短い時間で結果が出るということを聞くと、PCR検査ではなくて30分ほどで結果が出る抗原検査をやっているのにPCR検査だとしているのではないか、と指摘する専門家もいます。
唾液サンプルの送付が郵送でも大丈夫としているところもあります。その場合には厳重な4重包装というわけにはいかないので、唾液に不活性剤を入れて、もしもウイルスがいたとしても感染することがないように処理をする必要があります。この方法だと送料が安く済むので、4500円ほどで提供されています。それでも結果は変わらないと説明されているものの、実際には不活性剤を使うと検査の精度が低下するために、どうしても見逃しが起こってしまいます。