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渡る世間に“鬼は外”

福は内と並ぶ慣用句といえば、誰に聞いても「鬼は外」と答えが返ってきます(返ってくるはず)。前回は「笑う門には“福は内”」を取り上げたので、それに続いて「渡る世間に“鬼は外”」を取り上げました。 誰もが知っている(はず)の諺(ことわざ)は「渡る世間に鬼はない」です。わざわざカッコをつけて(はず)と書いたのは、中には「鬼はなし」と覚えている人がいるからです。 もう一つの意味合いは、「渡る世


発達障害支援3 社会的障壁の考え方

発達障害者支援法では、発達障害者(18歳未満は発達障害児)は、発達障害があるだけでなく、社会的障壁によって日常生活や社会生活に制限が生じている人を指しています。 社会的障壁は、発達障害がある人が日常生活や社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものを指しています。発達障害がある人が生きにくい状況は、社会的障壁のせいであって、それがなければ困難さを抱える


母子の栄養19 主要ミネラルの重要性2

子どもの健康には母親の妊娠前からの栄養摂取が重要ということで、通常の食事では不足しがちなミネラルの摂取のために、その特徴を知ることが大切になります。 カリウムは細胞内の酵素反応を調節する働きがあるミネラルで、正常な状態では体内ではカリウムはナトリウムの2倍ほどの量が保たれています。 ナトリウムと作用し合って細胞の浸透圧を維持し、ナトリウムの排出を促進することから血圧を正常な状態に調整す


健康食品 敵か味方か33 機能性食品vs.気のせい食品

健康食品の種類の中には機能性表示食品というカテゴリーがあり、自社の商品の機能性の試験結果や、他社の商品を用いた結果の論文を根拠として消費者庁に届け出をしたものを指しています。 今でこそ“機能性”という用語は機能性表示食品を指すようになっていますが、以前は機能性食品は健康食品の別の呼び方として認識されていました。 その当時のこと、厚生労働省の栄養指導官と話をしているときに、「機能性食品は


Age free岡山3 前期高齢者は支えられる側ではなく支える側

かつての高齢者のイメージは、退職をして家庭で過ごす時間が長い“ご隠居さん”でしたが、今は退職年齢も65歳は当たり前になり、2025年には本人が希望すれば65歳までの雇用確保が義務づけられます。 2021年に改正された高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業機会の確保が努力義務とされました。 こういった流れを受けた形で、高齢者の定義の見直しも検討されるようになりました。 2017年


エネルギー代謝69 酸素不足によるエネルギー低下

体内でエネルギーを作り出すには酸素が必要です。酸素がなければエネルギーが作られないようなことが言われることがあるのですが、正確にいうと酸素がなくてもエネルギーは作られます。ただ、そのエネルギー量は少ないので、かろうじて生命維持ができる程度のエネルギーしか発生していません。 体内でエネルギーを作り出しているのは、細胞の中にあるミトコンドリアというエネルギー産生器官です。非常に小さなものですが、


Age free岡山2 2025年に団塊の世代は全員が75歳以上

岡山県の人口(2023年1月)は約185万人で、全国民の1億2477万人に対して1.48%となっています。そのうち岡山市民は約72万人で、岡山県民に対して約38.9%の割合となっています。 高齢化率の全国平均(2022年)は29.1%ですが、岡山県は31.1%、岡山市は26.9%となっています。人口密集地の都市部の高齢化率が低いのは全国的な傾向で、関東圏、近畿圏の都市部は若者人口が多いからで


健康食品の法規制33 有効成分以外の素材の判定

1000mgは1gです。このことが理解できていれば、1粒の健康食品の中に含まれている成分量がわかり、それ以外にも多くのものが使われていることがわかります。その使われているものは賦形(ふけい)剤と呼ばれていて、成形や服用に役立つために使われる添加剤です。錠剤ではデンプンや乳糖、デキストリンがよく使われています。 カプセル充填であれば賦形剤は必要がなくて、有効成分だけで製造することも可能です。た


理想実現のための代謝促進15 日本人は肝機能が低下しやすい

日本人は今でこそ世界1の長寿国(男女平均で男性は3位、女性は1位)ですが、終戦直後の昭和22年の平均寿命は男女ともに50歳の達したばかりでした。そこから一気にトップまで登りつめたわけですが、平均寿命の長さが身体的な弱点を、すべて克服したわけではありません。 高齢になると身体の機能は低下していきますが、日本人は特に低下しやすいことがあり、その代表とされるのは肝機能です。肝臓は年齢を重ねていくと


発達栄養101 食べられないものを食べさせようとする困難さ

発達障害児は食の困難さを抱えていることが多く、中には“極端な偏食”と呼ばれる、食べたくても食べられないという苦しさを抱えていることがあります。それは好き嫌いの範疇の偏食とはまったく違っていて、味は好きなのに、匂いや食べているときの音(噛む音、咀嚼音など)が気になって食べられない、口の中に当たる刺激が気になって食べられないということのように、味覚の問題ではないのに起こっている偏食です。 そんな