最新情報

体質との調和23 身体が冷える人の血液温度

「夏でも靴下を履かないと足が冷えて眠れない」「風呂上がりに靴下を履いて寝ているのに足が冷える」というように冷えの体質を訴える人は少なくありません。特に女性は手足の冷えに悩まされている人は多くなっています。 身体が冷えるのは血液の温度が大きく影響しています。冷え性の人も、身体が温まりやすい人も血液の温度は変わらず37~38℃となっています。 その血液の熱によって温められたあと、皮膚からの


体質との調和22 コレステロールの吸収率の違い

欧米人と同じだけの量のコレステロールを日本人が摂ったとすると、その吸収率は20%も高いとの研究結果があります。これは日本人が長い歴史の中で低栄養の時代が長かったために、脂肪を効率的に吸収できるように身体が変化したためだと説明されています。 日本人は腸が長いことが知られています。欧米人に比べて身体が小さいのに腸が2mも長くなったのは、腸壁の表面積を増やして吸収する場所が増えることで吸収される量


体質との調和21 加齢による肉食の変化

肉食民族は高齢になっても、歴史的に肉類を食べてきたことから、脂肪を分解する胆汁酸が多く分泌されます。胆汁酸は胆嚢から十二指腸に分泌されますが、その原料となっているのは肝臓に蓄えられているコレステロールです。 日本人はコレステロールが多く含まれる肉類を多く食べてこなかったために、肝臓のコレステロール蓄積量が少なくなっています。日本人は長生きした歴史がなかったことから、高齢になって脂肪を摂ること


体質との調和20 日本人・アジア人・欧米人の体質の違い

日本人は欧米人とは異なる体質を持っているだけでなく、アジア各国の人たちと比べて見ても異なった体質となっています。日本に近い中国や韓国、モンゴルなどの東アジアの人たちは日本人と似た顔つきと体格をしていますが、身体の中は大きく異なっています。 最も大きな違いは伝統的な食生活によって培われた代謝の能力で、北方系の人々は肉を中心とした食生活のために動物性たんぱく質と脂肪を分解する能力が高く、アミノ酸


体質との調和19 沖縄県の変化から見る食事と健康

コレステロールは血液中で増えたからといっても、これが直接的に動脈硬化につながるわけではありません。しかし、コレステロールを多く保持している悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールが酸化すると動脈硬化のリスクが高まることが確認されています。 酸化したLDLコレステロールを白血球のマクロファージが取り込んで処理した結果、血管が硬く、狭くなっていき、動脈硬化になりやすいことが知られていま


体質との調和18 コレステロールの健康面の役割

「悪玉コレステロール」という言葉が広まっていることもあって、コレステロールは健康によくないもの、と考えられることもあります。しかし、これは今では間違いであることも知られてきました。 厚生労働省による『日本人の食事摂取基準』には、三大栄養素とビタミン、ミネラルの他に、コレステロールの摂取目標量も示されています。以前の基準(2010年版)では1日に摂取する上限の目標量(男性750㎎未満、女性60


体質との調和17 体質と血管の関係

脳血管疾患による死亡数は1980年(昭和55年)までは第1位を占めていましたが、1981年(昭和56年)から1984年(昭和59年)までは第2位に、1985年(昭和60年)から1994年(平成6年)までは第3位と下がりました。 1995年(平成7年)、1996年(平成8年)には脳血管疾患は第2位となり、1997年(平成9年)以降は第3位、2011年(平成23年)からは肺炎に抜かれて第4位とな


体質との調和16 大きく変化した食事と身体

日本人の健康度が高まり、平均寿命が世界のトップにまでなったのは食事の変化が大きな要因としてあげられています。 今から80年前の終戦後から大きく変わったのは食事だけでなく、生活環境や衛生環境、医薬品やワクチンの開発などの医療技術も大きく変化しました。しかし、これは先進国に共通することであり、戦後の日本において特徴的に変わったのは食事の内容です。 戦前の日本人は伝統的な食生活を守ってきまし


体質との調和15 老衰の急増は超高齢社会の現れか

日本人の死因の調査結果を見ると、2023年(令和5年)の日本人の死亡原因はがん、心疾患(心臓病)、老衰、脳血管疾患、肺炎の順となっています。 以前は、がん、心疾患、脳血管疾患が多くを占めていて、高齢化が進むほど死亡原因として肺炎が徐々に増えていくのに、老衰が少ないのは、病気で亡くなる人が多いからだと言われていました。 2000年ころまでは老衰は7位でしたが、一気に増えてきました。その大


体質との調和14 日本人の死亡原因の変化

日本人の死亡原因は、1947年(昭和22年)には第1位は結核で、第2位は肺炎・気管支炎でした。その当時も、また第二次世界大戦前も日本人の食生活では肉食が不足していたため、動物性たんぱく質と脂肪の摂取量が足りないこともあり、感染や疾患に対する抵抗力が欧米各国に比べて低くなっていました。 終戦後数年たつと食糧事情の好転によって国民の栄養状態が急速に改善されていき、不足していた栄養成分が補われたこ