おかずの種類を増やして食べすぎを防ごう

“おかず”は漢字では“御加数”と書かれます。これは多くの数を加えるという意味で、健康指南書の「養生訓」に登場する言葉です。主食(ご飯、パン、麺類など)に加えて食べるおかずは、できるだけ多くの食品を使って作ることを示しています。簡単に腹を膨らませようとすると主食に加えるおかずは2~3種類になりがちで、ダイエットに取り組んでいる人も、おかずの数が減りがちです。
おかずの種類を増やすことは、いろいろな種類の食品から必要な栄養素を摂ることと同時に、エネルギー量が高い食品だけを食べすぎないことにつながります。
主食に多く含まれる糖質をエネルギーとして燃焼させるときにはビタミンB₁が、脂質(脂肪)を燃焼させるときにはビタミンB₂が必要となります。脂肪細胞の中に蓄積された脂肪(体脂肪)を燃焼させるときにはビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が、すべてそろっていなければなりません。これだけの栄養素を豊富に摂るためには肉類、魚介類、種子類、豆類、卵類、野菜、海藻など多くの種類の食品を摂るようにします。
おかずの種類について“1日30品目”と言われたことがあります。これは1985年(昭和60年)に厚生省(現在の厚生労働省)が、国民の食生活の目安として策定した『健康づくりのための食生活指針』の中で掲げたもので、主食・主菜・副菜で1日に30品目を摂ることが目標とされました。
『健康づくりのための食生活指針』の中には、「いろいろ食べても食べすぎないように」との注意も書かれています。食べる量は変えずに、多くの種類を食べて、栄養素をバランスよく摂ることが示されているわけです。
1日30品目は、そういった意味合いがありましたが、今では目標とはされていません。というのは、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によって栄養摂取量が充分な人を調べたところ、平均の食品数が20品目ほどであることがわかったからです。
しかし、多くの種類の食品を食べることは、栄養素をバランスよく摂るだけではなくて、安全性も考えられています。もしも有害な成分が入っている食品があったとしたら、食品の数が少ないと、有害な成分を多く摂ってしまうことにもなります。いろいろな食品を食べることで、危険性を減らすという意味も“御加数”にはあるのです。

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