004 燃焼のTCA回路にも必要なビタミンB群

細胞のミトコンドリアの中にあるTCA回路で三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が燃焼してエネルギーを作り出すためには、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂の4種類のビタミンB群が必要だと以前(001)に紹介しました。必要なのは、これだけではなくて他のビタミンB群のナイアシン、パントテン酸も使われますが、ナイアシンとパントテン酸は栄養素を分解するときには必要となっています。この段階でビタミンB群が不足していたのでは、その次のTCA回路での燃焼も進まなくなります。
そのために、あえて必要であることを省略していましたが、実際にはTCA回路でアセチルCoAから次々と異なる酸に変化していくときにナイアシンとパントテン酸が使われます。
アセチルCoAからクエン酸に変化するときにはナイアシンとパントテン酸が使われます。これによってクエン酸が多くなるとTCA回路が回転しやすくなります。そのためにTCA回路はクエン酸回路とも呼ばれています。クエン酸は柑橘類(レモン、オレンジ、グレープフルーツ、梅など)に多く含まれていて、これらの食品を摂るとTCA回路が働きやすくなり、ダイエットにも有効だということが紹介されています。
クエン酸からイソクエン酸に変化するときにもナイアシンとパントテン酸が使われ、イソクエン酸からケトグルタル酸に変化するときにはナイアシンが使われます。ケトグルタル酸からスクシニルCoAに変化するときにはナイアシンとパントテン酸が使われます。スクシニルCoAからコハク酸、さらにフマル酸、リンゴ酸に変化しますが、リンゴ酸からオキサロ酢酸に変化するときにナイアシンが使われます。これで一回りして、この後はクエン酸から同じ流れで変化が続いていきます。
このようにビタミンB群が重要であり、不足するとエネルギー代謝が充分な働きをしなくなるので、絶対に欠かすことはできないのです。