018 糖質制限で効果がある人の条件

糖質を摂りすぎると、その中に含まれるブドウ糖によって血糖値が上昇して膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは肝臓で脂肪の合成と蓄積を促進するホルモンで、血糖値を上昇させるブドウ糖をできるだけ摂らないことでインスリンの分泌を抑え、太らないようにすることができます。日本人は糖質を多く摂ると脂肪合成が進みやすい遺伝子を持つ人が多く、糖質を制限することによって脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪が減りやすい特徴があります。
低糖質の食事をすると内臓脂肪をブドウ糖に合成する作用が起こるため、内臓脂肪の蓄積が多い男性は効果が出やすくなっていますが、皮下脂肪の蓄積が多い女性では内臓脂肪が減ってから皮下脂肪が減っていくため、効果が表れにくい特徴があります。女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)には皮下脂肪を蓄積させる作用があるため、皮下脂肪が減りにくくなっています。
1日に脳の機能を維持するために必要となるブドウ糖は120gとされ、1時間当たり50gが必要となります。砂糖はブドウ糖と果糖が1分子ずつ結びついたものであり、1日に砂糖にして240gが必要という計算です。ブドウ糖が不足すると、体内ではタンパク質がブドウ糖に合成される糖新生が起こるので、ブドウ糖が体内で不足することはない、と説明されることがあります。しかし、糖新生は飢餓状態で起こる危機的状態を回避するための緊急措置の反応であって、長くブドウ糖が不足するような状態を起こしてはいけないのです。