021 血糖値を上昇させない食べ物の組み合わせ

血糖値が上昇すると太る可能性が高くなります。血糖値は血液中のブドウ糖の量を示す値ですが、血糖値が上昇すると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは一般には細胞にブドウ糖を取り込んでエネルギー化するホルモンとして知られていますが、インスリンが分泌されると肝臓での脂肪合成が高まり、体脂肪の中に蓄積される脂肪(中性脂肪)が増えて、これが太る原因となります。
血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値が上昇するということは、血液中のブドウ糖が増えているということです。ブドウ糖が多く分泌されると太りやすくなるということは、それを防ぐためには血糖値を上昇させないことが重要になるということです。
ブドウ糖は糖質の中に含まれています。糖質が含まれた主食(ご飯、パン、麺類)を多く食べると血糖値が上昇していきます。ブドウ糖は糖質が胃の中で分解された後に、小腸から吸収されていきますが、ブドウ糖の吸収に時間がかかるようになると、その分だけ血糖値の上昇が低くなります。糖質が胃に来ると、消化酵素によってブドウ糖に分解されます。これを遅らせるために役立つのは食物繊維です。食物繊維は消化も吸収もされない性質があり、食物繊維が多いと消化液が食物繊維に使われて、糖質の分解に使われにくくなります。そのために食物繊維を多く摂ると糖質の分解が進みにくくなり、血糖値が上昇しにくくなるのです。
食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に大きく分けられますが、どちらの食物繊維であっても消化に時間がかかるようになります。しかし、血糖値の上昇を抑えるためとなると水溶性食物繊維が優位となります。水溶性食物繊維は海藻、キノコに多く含まれます。水溶性食物繊維は粘度が高くて、水溶性食物繊維があると糖質はゆっくりと小腸へと移動していきます。そのために血糖値の上昇度合いが低くなり、インスリンの分泌が減るようになるのです。
糖質で太りやすい人は、一緒に海藻やキノコを食べることで太りにくくなります。水溶食物繊維の一種の難消化性デキストリンは血糖値の上昇を抑える作用があるのですが、その中でも効果が高いことが知られるのは環状オリゴ糖(α‐シクロデキストリン)です。