047 水溶性食物繊維のダイエット効果

水溶性食物繊維は糖と脂肪を吸着して、小腸から吸収される量を減らすというダイエット効果がありますが、もう一つ血糖値の上昇を抑えることによる効果もあります。水溶性食物繊維は余分な糖や脂肪を吸着するだけでなく、胃で水分を吸って膨らみ、粘度が高まって、胃から腸にゆっくりと移動していきます。そのときに胃で糖質が分解したことによってできるブドウ糖もゆっくりと運ばれていきます。この「ゆっくりと」ということが重要で、これがダイエットにも関係してきます。
ブドウ糖は1個の糖からなる単糖で、穀類や果物に多く含まれています。グルコースとも呼ばれます。ブドウ糖の割合が最も高いのは砂糖で、ブドウ糖1個と果糖1個で構成されています。重要なエネルギー源で、細胞の中にあるミトコンドリアでエネルギーとなります。ブドウから初めて発見されたことからブドウ糖と名づけられました。
ブドウ糖は腸から早く吸収されると、血糖値が急に上昇していきます。血糖は血液中のブドウ糖のことなので、ブドウ糖が早く多く吸収されるほど血糖値は上昇します。血糖値の高さに反応して膵臓からインスリンが分泌されるのですが、インスリンにはブドウ糖を細胞に取り込ませる働きがあります。これだけなら問題はないものの、インスリンには肝臓で合成される脂肪を増やす働きがあるので、これが太る原因となっていくわけです。
水溶性食物繊維は余分となった糖と脂肪を吸着して、吸収させずに小腸から大腸へと送っていくのはよい働きですが、ゲル状になった水溶性食物繊維には胃の中にあるミネラルの一部も吸着します。また、医薬品の成分や健康食品・サプリメントの成分の一部も吸着して吸収させなくする働きがあります。
では、水溶性食物繊維は医薬品や健康食品などを使う人は摂ってはいけないのかというと、そんなことはなくて、摂るタイミングを調整すれば問題はありません。医薬品や健康食品を摂るときには水溶性食物繊維を摂らないようにすればよいわけで、1時間くらい離すようにします。朝食の後に医薬品を飲む場合には、昼食か夕食に水溶性食物繊維を摂るということです。