051 ヨーグルトのビフィズス菌は腸内に定着するのか

ビフィズス菌は腸内細菌の善玉菌の代表的なもので、善玉菌を増やすことを望む人はビフィズス菌が入ったヨーグルトを食べたり、サプリメントで摂ったりしています。ビフィズス菌は赤ちゃん用の粉ミルクにも含まれています。もともと赤ちゃんはビフィズス菌が多いのですが、大人が粉ミルクを飲むとビフィズス菌を増やすのに役立ちます。
外から口に入れたビフィズス菌が腸内に定着してくれればよいのですが、そうはなってくれません。ヨーグルトやサプリメントに含まれたビフィズス菌などの乳酸菌は腸内では1〜2日しか定着しないのです。それなら、少しの量でもよいので毎日、摂り続けるのがよいと言われます。腸内に入れても長持ちしないなら、摂り続けるしかないと考えるのもわかりますが、実際にはビフィズス菌などを摂ると腸内で善玉菌は増えていきます。
腸内に入ったヨーグルトのビフィズス菌は発酵を進めて、酸性の代謝産物を外に出して腸内を酸性化させていきます。腸内に生息している善玉菌は酸性傾向で増殖して活性化していくので、ヨーグルトのビフィズス菌を摂ることで、腸内の善玉菌が増えていきます。あたかもヨーグルトのビフィズス菌が定着したのと同じような結果になっているわけです。
ビフィズス菌は乳酸菌の一種で、すべての動物の腸内に生息しています。乳酸菌は小腸にも大腸にも生息していますが、ビフィズス菌は大腸に多く生息しています。腸内細菌の中では90%以上を占めていますが、年齢を重ねるにつれて減少していき、腸内環境のバランスが乱れがちになります。ビフィズス菌はブドウ糖とオリゴ糖を栄養源として増殖していきます。