060 カルシウムが不足すると太るメカニズム

カルシウムを摂ればやせられるというのは、体験者は多いものの、科学的に裏付けられているのかというと、まだ疑問があります。それに対して、カルシウムが不足すると太ることについてはメカニズムが明らかにされています。カルシウムの摂取量が大きく減ると、体内のカルシウム濃度を一定に保つために副甲状腺ホルモンが多く分泌され、骨に蓄積されているカルシウムが分解されて、血液中に放出されます。体内のカルシウムのうち骨と歯には約99%が蓄積されています。
副甲状腺ホルモンは甲状腺の裏側にある米粒大(4〜5mm)の臓器です。血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあり、カルシウムが不足すると多く分泌されて骨のカルシウムを血液中に溶け出させます。
この仕組みによって、カルシウム不足によって血液中のカルシウム量が増えることを「カルシウムパラドックス」といいます。血液中のカルシウムが濃くなると、脂肪細胞の中のカルシウム量が増え、脂肪酸合成酵素の働きが活発になります。その結果として、肝臓の中で合成される脂肪が増え、脂肪細胞の中に蓄えられる脂肪が増えるというメカニズムになっています。
このようにカルシウム不足が脂肪細胞に蓄積される脂肪を増やして、太りやすくするわけですが、もう一つカルシウム不足で太る仕組みもわかっています。食事で摂った脂肪は、胆汁酸によって分解され、分解されて脂肪酸になったものが吸収されます。胆汁酸はカルシウムと触れ合うと、その部分は脂肪を分解する効果がなくなります。それだけ食事で摂った脂肪が吸収されにくくなります。つまり、カルシウムを多く摂ることによって、脂肪の分解量を減らして、吸収される脂肪酸の量を減らすことができるようになるのです。
カルシウムはダイエットをして食事量を減らすと不足することに加えて、運動をすると汗とともに排泄されるので、これによっても不足します。ダイエットをする人はカルシウムが含まれる食品を多くとることが必要だということです。