068 糖が少ないと脂肪が燃えにくい

ダイエットのためには糖の摂取が少ないほうがよいと言われています。運動をすると初めの10〜15分はブドウ糖が主に燃焼していて、それを過ぎると脂肪酸が燃焼すると説明されています。これは健康科学の教科書にも載っていることです。
糖質制限のブームの中で、ブドウ糖を摂らないほうがよいような雰囲気になっているのですが、血液中にブドウ糖が少ない状態で運動をすると、まず燃焼するブドウ糖が足りないために、なかなか脂肪の燃焼に移っていかないということが起こります。そのために、運動をした割には体脂肪が減ってくれないということにもなります。
血液中のブドウ糖は導火線のようなものだと考えられています。ブドウ糖なしでは運動をしても脂肪は燃焼しにくくなっています。ブドウ糖は燃焼しやすいので、火をつけたらすぐに燃える紙のようなものです。それに対して脂肪酸は木のようなもので、木にマッチの火を近づけても燃えてくれません。ところが、紙を燃やすと、木に火が移って、その木は長く燃えてくれます。
ブドウ糖は細胞の中のミトコンドリアで燃焼することによってエネルギーが作り出されます。ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギーを作り出す小器官です。ミトコンドリアの数は細胞によって違いがあり、筋肉細胞は3000個ほどのミトコンドリアが存在しています。すべてのミトコンドリアを合わせると体重の10%ほどにもなります。
ブドウ糖の燃焼によって得られたエネルギーを使って、ミトコンドリアの中に脂肪酸を盛んに取り込み、燃焼させていきます。この仕組みからいっても、適当な量のブドウ糖がなければ、脂肪酸が燃焼しにくいということになります。
脂肪酸が盛んに燃焼するのは、運動をしているとき以外では、昼間の時間帯です。この時間帯に効果的に燃焼させるためには、朝食でブドウ糖を摂ることが大切であり、朝食を抜いたり、朝食時間に飲み物しか摂らないようなことをしてはいけないということです。