072 やせるための薬は誰でも使えるのか

女性の心理として、もっとやせたいという人は数多くいたとしても、もっと太りたいという人は少ないはずです。ましてや肥満と判定された人になれば、なおさらのことです。ところが、「もっと太りたい」と言っている女性もいるのです。どんなつもりで言っているのかというと、BMI(Body Mass Index=体格指数)が35以上の肥満3度になると肥満治療薬を使うことができるからです。それ以下では治療薬を使うことができず、食事療法と運動療法で対処するしかなく、相当に厳しいことが求められるからです。
肥満治療薬は肥満症改善薬とも呼ばれ、脂肪分解酵素の働きを阻害して、脂肪吸収を抑制する作用があります。食欲を抑えるものや脂肪の代謝を進めるものもあります。
BMIは体重(kg)を身長(m)で2回割って求められます。日本メディカルダイエット支援機構の理事長は体重が62kg、身長が168cmで、「62÷1.68÷1.68=21.967」で、ほぼBMI22です。最も健康的とされるBMIは22なので、それを目指して生活を見直した結果です。
日本肥満学会の基準では、BMIが18.5未満は低体重(やせ)、18.5以上25未満は普通体重、25以上は肥満となります。BMIが25以上30未満は肥満1度、30以上35未満は肥満2度、35以上40未満は肥満3度と分類されます。BMIが30というと160cmの場合には76.8kgにもなります。
これだけの肥満となると、肥満治療薬を使わないと対処できないということは理解できます。そして、肥満治療薬なしにBMIを25以下にするには160cmの場合には12kg以上も体脂肪を食事と運動で減らさなければならないので、いかに大変かということです。