073 サプリメントと健康食品の使い分け

健康食品というのは一般に知られた名称ですが、法律的には定義されていません。法律的に定義されていないために、直接的に規制する法律も推奨する法律もなくて、だから医薬品を取り締まる法律で規制されるようなこととなっています。健康食品は、健康によいとされる成分が含まれる食品といった扱いで、一時期は公的な文書では「いわゆる健康食品」と書かれていました。今では健康食品と表示されていますが、まだ実態は一般には認識されていないようです。
健康食品の中には特定保健用食品や機能性表示食品のように、一定の範囲で有効性を表示することができるものもあります。特定保健用食品は身体の調子を整えるなどの特定の保健の効果が期待できる旨を表示した食品で、個別の商品で審査を受けるものでトクホとも呼ばれます。生理機能に影響を与える成分を含み、有効性、安全性、品質などの審査を受け、消費者庁の認可を受けて表示されます。機能性表示食品は機能性を事業者の責任で確認して、科学的根拠を商品パッケージに表示することができる食品です。個別の商品で科学的根拠を確認するだけでなく、科学的根拠が確認された素材を使用することでもよく、消費者庁に届け出て表示されます。
特定保健用食品や機能性表示食品でなくても、健康食品は機能性成分が含まれるものと一般にはイメージされています。しかし、食品に分類されるので、食卓にのぼる食品と同じ内容であっても健康食品として販売されることがあるので、なかなか定義するのは難しいことです。
サプリメントは英語のダイエタリー・サプリメント(dietary supplement)が由来です。ダイエタリーというのは「ダイエットのための」という意味ではなくて、食品・食物を表しています。もともとサプリメントは補助や補給などの補うことを指した言葉なので、「食事では不足している栄養素を補うもの」というのが正解に近いと思います。そのためにビタミン、ミネラル、アミノ酸、食物繊維などを補う食品とイメージされています。
サプリメントは不足したものを補い、健康食品は機能性成分を摂取するものと分類することもできます。しかし、健康食品全般の知識を持って、健康食品全般のアドバイスをする資格はサプリメントアドバイザーといって、これがまた分類と定義を難しくしています。
ダイエットのためにサプリメントを使うことを考えている人は、こういった基本的なことを知ってから、自分に合ったものを選んでほしいのです。