075 洋ナシ型の肥満と洋ナシの関係性

洋ナシ型の肥満は、皮下脂肪が蓄積しやすく、脂肪が多い食品を食べると皮下脂肪が増えるという特徴があり、下半身がふっくらとした体型になるので、その名がつけられています。このタイプには脂肪の摂取量を減らすのを基本として、脂肪の吸収を抑えるような成分を摂ること、脂肪酸の燃焼を進めるために細胞のミトコンドリアでの代謝を盛んにするビタミンB群を摂ることが必要になります。
洋ナシといえばラ・フランスを思い浮かべるところですが、洋ナシの国内生産の70%を占めているものの、ほかにも種類があります。ここまでのシェアを占めるのは甘くておいしい品種だからです。甘いということは糖質が多いものの、ビタミンB₁とビタミンB₂が豊富に含まれています。
ビタミンB₁は糖質の代謝に必要な水溶性ビタミンの一つで、皮膚や粘膜の健康維持、ブドウ糖を唯一のエネルギー源とする脳の機能向上に必要です。豚肉に多く含まれ、穀類の胚芽、レバー、豆類にも多く含まれます。ビタミンB₂は脂質の代謝に必要な水溶性ビタミンの一つで、皮膚や粘膜の健康維持にも必要です。レバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品などに豊富に含まれます。
洋ナシにはカリウムが多く含まれていて、カリウムには余分なナトリウムを排出させて、むくみを解消することが知られています。むくみは血液中の水分が必要以上に血管の外に染み出し、皮膚と皮下細胞の間にたまった状態をいいます。浮腫みと書き、浮腫(ふしゅ)とも呼ばれます。水分が多くたまるほど、皮膚を指で押したときに元に戻りにくくなります。
また、洋ナシには食物繊維は約2g含まれていて、このうち不溶性食物繊維は約1.2g、水溶性食物繊維は約0.8gとバランスが取れています。どちらも便秘予防、便通促進にはよい効果があります。
肉食が多い人は、食事のあとに洋ナシを食べることで、これらの期待される効果を高めることができるということを伝えています。