084 脂肪を摂っていないのに中性脂肪が増える

中性脂肪は脂肪酸3個をグリセリドという成分1個が結びつけている構造をしています。血液検査をして中性脂肪値が高くなると、脂肪が多く含まれる食品を減らそうとする人がほとんどです。肉などに含まれている脂肪の多くは中性脂肪です。もちろん食べすぎはよくないのですが、脂肪を減らしても、なかなか中性脂肪値が下がらないというのはよくあることです。では、何を減らせばよいのかというと、それは糖質です。
糖質が血液中で過剰になると肝臓で脂肪が合成されるということは以前に紹介しました。中性脂肪が増えすぎたときには肉や調理に使う油を減らすのではなくて、ご飯などの糖質を減らしたほうが効果は高まるのです。
糖質にはブドウ糖が含まれています。血液中のブドウ糖が多くなると膵臓からインスリンというホルモンが多く分泌されるのですが、インスリンには肝臓での脂肪の合成を進める働きがあります。糖質を多く摂ると、脂肪酸の材料になるブドウ糖が多くなり、インスリンが肝臓での脂肪合成を進めるので、どうしても血液中の中性脂肪が増えると、脂肪細胞の中に蓄積される中性脂肪も増えていくことになります。
おなかから太りやすいタイプの人は、ブドウ糖から脂肪酸が合成されやすく、中性脂肪が増えやすい人が多くなっています。中性脂肪は食べすぎでも運動不足でも増えて、内臓脂肪に蓄積されていきます。その反面、食事量を全体に減らして、有酸素運動をすれば優先的に減っていくという特徴があります。