090 消化酵素が増えれば代謝酵素も増える

前回、キュウリに含まれるホスホリパーゼという脂肪分解酵素の話をしましたが、食品に含まれる消化酵素というと、これまでは糖質を分解する酵素が注目されてきました。有名なものでは大根に含まれるジアスターゼです。以前、テレビ番組でジアスターゼは消化酵素なので肉を食べるときには大根おろしも食べるとよい、と言っていたのですが、ジアスターゼは糖質のデンプンの分解酵素なので、違うのではという批判もありました。
しかし、大根にはキュウリと同様にホスホリパーゼが含まれていることがわかってから、大根で脂肪を分解するというのは間違いではないのでは、という話になりました。その情報を伝えるときには、ジアスターゼとともにホスホリパーゼの話もしないといけません。
脂肪分解酵素を野菜で摂ることができると、ダイエット効果が大いに期待されます。体内で使われる酵素は肝臓で合成されています。材料はアミノ酸です。合成される量はほぼ決まっていて、消化酵素として約20%、全身の細胞で使われる代謝酵素として約80%とされています。消化酵素が少なくて済むなら、その分が代謝酵素として使われます。代謝酵素によって全身のエネルギー産生が行われているので、代謝酵素が増えることでダイエットが進むようになるということです。
糖質は分解されやすいので分解酵素は少なくて済むのですが、脂肪は分解されにくいので、脂肪を多く摂るほど分解のために酵素が多く必要になります。ホスホリパーゼによって、その量が減るということは、代謝酵素を大きく増やすことになるというわけです。