104 活性酸素の消去はダイエットにつながるのか

水素でダイエットできるという話が広まっているのは、水素に活性酸素を消去する作用があることと関係しています。活性酸素は酸素の電子バランスが崩れたもので、マイナス電子が欠けています。このマイナス電子を補えば活性酸素は通常の酸素に戻り、いわゆる活性酸素が消去されたという状態になります。水素にはマイナス電子があり、水素が活性酸素と出会うとマイナス電子が活性酸素に移って、消去されることになります。
活性酸素にマイナス電子を与えるものには水素のほかに植物の色素などがあります。これらの抗酸化成分があると活性酸素は消去されるということですが、活性酸素が増えると代謝が低下することが指摘されています。脂肪の代謝は細胞のミトコンドリアのTCAサイクル(回路)で行われますが、そのときに酸素が必要となります。活性酸素が多くなるということは体内の正常な酸素が減るということで、代謝が低下するという説明がされています。活性酸素が水素の電子を奪うことから、水素による代謝を抑制することも指摘されています。
活性酸素が増えると血管の老化が進みやすく、動脈硬化となって血流が低下します。この血流低下が全身の細胞の代謝に必要な酸素量を減らすために、代謝が低下して太りやすくなるということです。これは活性酸素が増えると代謝が低下するということで、活性酸素を消去させたら、その分だけ代謝が高まることが保証されているわけではありません。