111 頭を使うと腹が減る

ここでいう“腹が減る”というのは空腹を感じることを指していて、ウエストが細くなるという意味ではありません。
食事の量が少ないか、運動量が多くなることで血液中のブドウ糖が少なくなると空腹を感じるようになります。脳には満腹中枢と摂食中枢があり、血液中のブドウ糖が多くなって血糖値が高い状態になると、満腹中枢が刺激されて、満腹感を感じて、これ以上は食べないように食欲が抑制されます。それに対して、血糖値が下がると摂食中枢が刺激されて食欲が高まります。脳のエネルギー源はブドウ糖だけなので、脳を正常に働かせるために血糖値が下がったときに食欲を高めて、多くのブドウ糖が含まれる食品を食べることが重要になります。
脳の重量は全身の体重の2%程度でしかありませんが、脳で消費されるエネルギー量は25%にも及んでいます。そのすべてがブドウ糖なので、半分近くのブドウ糖が脳で使われていると考えることができます。考えるという行為は脳でブドウ糖を多く使うことなので、脳を使うほど摂食中枢が刺激されて、“頭を使うと腹が減る”ということになります。
腹が減ったときには、食事をするのが一番ですが、食事をするまでもないというときには、甘いもので済ませることがあります。甘いものには砂糖が使われています。砂糖はブドウ糖1分子と果糖1分子で構成されていて、食品の中では最もブドウ糖の割合が高くなっています。ブドウ糖が不足すると脳が正常に働かなくなるということがわかれば、頭を使うときには甘いものを食べるようにするということになります。もちろん、甘いものの摂りすぎはメディカルダイエット的には問題もあるので、適度な量にしておくことは当然の話です。