132 酢を使って糖質制限の効果を高める

糖質が多く含まれる食品を食べると血糖値が上昇して、インスリンが多く分泌され、その結果、肝臓で脂肪酸が多く作られるようになります。糖質制限がダイエットに効果があるのは、その仕組みがあります。血糖値が大きく上昇しないようにするには、糖質が多いご飯、麺類、パンなどの食べる量を減らすことが一つの方法ですが、もう一つの方法は吸収をゆるやかにすることです。そのために食事で摂りたいのは食物繊維が多く含まれた食品と調味料の酢です。食物繊維は消化の時間を長くして血糖値が急上昇しないようにしてくれます。
酢に含まれている酢酸には糖質の吸収速度を遅くする作用があり、血糖値の上昇スピードを示すGI値を下げる効果もあります。酢は糖質の吸収をゆるやかにするといっても、米酢やポン酢には糖質が多く使われているので血糖値が上昇しやすい酢といえます。同じく糖質が多く使われている黒酢には酢酸は少ないものの、その代わりに脂肪と糖質の燃焼を進めてくれるクエン酸が豊富に含まれているので、米酢よりもダイエット向きです。
クエン酸は、柑橘類(オレンジ、レモン、梅など)に多く含まれている酸味成分の有機化合物で、加熱しても壊れにくい特徴があります。細胞のミトコンドリア内でエネルギーを作り出すTCA回路はクエン酸が多くあることで燃焼が進むことから、クエン酸回路とも呼ばれています。ポン酢という名前はオランダ語で柑橘類の果汁を意味するポンス(pons)に由来していて、黒酢とともにクエン酸が多くなっています。
リンゴ酢やワインビネガーは糖質が少ないので、オススメとされています。リンゴ酢は糖質が少ないのに甘味があって、料理をおいしく食べられるのですが、使いすぎると食べすぎにもなるので注意が必要です。酢に含まれる酢酸には糖質の吸収を遅らせる働きがあるものの、糖質の量には限度があるので、多く使うほど血糖値が上昇しにくくなるというものではありません。クエン酸が多い黒酢やポン酢は多く摂ることでアミノ酸が多く摂れるので、ダイエット効果は高まります。