189 夜と朝で効果に差があるアロマ

ダイエットを成功させるためには、夜はリラックスして過ごして熟睡できること、朝は気持ちよく目覚めて活発に行動することが大切になります。睡眠と目覚めを切り替えているのは自律神経で、抑制スイッチに切り換えるのが副交感神経、活動スイッチに切り換えるのが交感神経となっています。切り換えるためには運動や休養、室内温度、入浴温度などがありますが、もう一つ効果があるものとして芳香成分があげられています。
鼻から吸い込まれた芳香成分は鼻腔の奥にある嗅覚神経を刺激して、脳の視床下部に伝わり、自律神経をコントロールしています。この仕組みを活用したのがアロマテラピーです。夜に利用したいのはリラックス系の香りで、深い抑制作用があるラベンダー、甘い香りのカモミールやオレンジスイート、朝に利用したいのは興奮系のペパーミントやローズマリーなどと大きく分けられています。
リラックス系はアロマオイルやハーブティーを使うしかありませんが、興奮系のほうは食べ物でも代用ができます。レモンやグレープフルーツ、オレンジなどの柑橘類の香りは目覚めの効果があり、果汁だけでなく、皮に含まれる精油成分のリモネンには交感神経を刺激して、血管を広げ、血流を盛んにすることで、この香りのダイエット効果があることが確認されています。
リモネンは柑橘類の甘酸っぱく爽やかな香りのもととなる精油成分で、精油成分はアロマオイルにも使われています。リモネンの名称はラテン語でレモンを意味するCitrus limonから来ています。最も多いのはオレンジの皮で、精油成分の約95%がリモネンとなっています。交感神経の活性化によって分泌されるアドレナリンが脂肪細胞の中に蓄積されている脂肪を分解して、燃焼を進める作用があります。
香りには自律神経の切り換えの効果はありますが、もともと切り換えがよくない人の場合には香りだけでは充分でないこともあります。朝の目覚めを高めて、身体を活性化してくれるのは太陽の光を浴びることと朝食を食べて身体を温めることです。これに香りをプラスすることで身体を活動的にすることができます。
香りのよいところは自律神経を直接コントロールしてくれることで、同じ香りを嗅ぎ続けていることで慣れてしまって効き目が悪くなるということがないことです。アロマオイルの量を増やしたり、ハーブティーを多く飲むのではなく、アロマの種類を変えて気分を新たにする方法がすすめられます。
昼に使うとよいアロマは、昼に香りを嗅いだあとに何をするかによって使い分けが必要です。昼寝をしたり、昼休みに心身ともに休めて午後からに備えるならリラックス系の香り、少し疲れた心身を回復させて、午後からも元気に動きたいなら活動スイッチに切り換える興奮系の香りを使います。