208 腸内細菌と食品の関係

善玉菌も悪玉菌も活動と増殖のためには、それぞれに適した栄養源が必要になります。善玉菌の主な栄養源は糖質と食物繊維で、食物繊維は胃では消化されず、小腸から吸収されない特徴がありますが、大腸では善玉菌によって分解されて栄養源とすることができます。また、乳製品に含まれる乳糖も善玉菌が好んで取り込んでいます。
悪玉菌の主な栄養源となるのは動物性たんぱく質と脂肪です。肉が多く、調理に脂肪を多く使う洋食は悪玉菌を増やしやすく、食物繊維が多い和食は善玉菌を増やしやすいことがわかります。
ビフィズス菌や乳酸菌が含まれた乳製品を摂ることによって腸内まで届けることはできますが、外部から取り込んだ大腸では1〜2日ほどしか生き残ることができず、定着はしてくれません。これらの細菌は毎日、補うことは大切になります。有益な細菌を取り込むものはプロバイオティクスと呼ばれます。
腸内に棲息する善玉菌を増やすためには、その栄養源となるものを摂ることが必要で、その役割をするものはプレバイオティクスと呼ばれますが、善玉菌の代表であるビフィズス菌に対するプレバイオティクスとなっているのはオリゴ糖です。オリゴ糖は2〜10個の単糖(ブドウ糖や果糖など)が結びついたもので、胃では分解されず、大腸で分解されてビフィズス菌の栄養源となります。
バクテロイデス門の日和見菌はヤセ菌と呼ばれているので、これが増えることによって太りにくくなるとしても、悪玉菌が増えた状態では腸内環境を悪化させることになるので、善玉菌を増やす工夫をしなければいけないということがわかります。