234 メディカルダイエット研究のきっかけ

医療機関で実施されるダイエットは、基本的には病気の治療のために実施されるものです。生活習慣病の高血圧症、糖尿病、脂質異常症、痛風、心臓病、腎臓病などは摂取エネルギー量を調整して体脂肪をコントロールしたり、血圧を調整することで他の疾患の発症を抑えるために、食事と運動が指導されます。生理学に基づいた食事療法、運動療法であれば、狙ったとおり、計算どおりの結果を得ることができます。ある人にとって体脂肪を減らすのに効果があった方法が、別の人では効果の出方に開きはあったとしても、まったく逆の結果、つまり体脂肪が増えるということはありません。
しかし、生理学の理論が通じない人もいます。それは成長期の子供で、特に成長期の女性は体脂肪を増やすようにして成長している時期なので、この年代の少女に、成人では効果がある食事制限をしたり、運動指導をしても同じ結果が出るとは限らないのです。中でも厄介なのは、小児肥満の少女です。普通のダイエット法が通じにくいので、単純に食事量を減らせばよい、運動量を増やせばよいというふうには行かないのです。
そこで考え出されたのが、運動と食事を組み合わせる方法で、運動を食事の前にするのか後にするのか、運動と食事のタイミングが朝なのか、昼なのか、夕方なのか、夜なのかによっても効果が異なってきます。この食事と運動のタイミングによる身体への影響を有効に使えば、無理なく無駄なく結果を得ることができるようになります。もちろん運動と食事の組み合わせによる体脂肪の変化は大きくはなくても、無理なく長く続けることができる方法で、これを続けながら、そのときどきの状態によって効果があるダイエット法を導入すれば、より効果を高めることができます。
運動と食事のタイミングだけでなく、運動と入浴のタイミング、食事と入浴のタイミングによっても結果を出すことがわかってきました。その方法がメディカルダイエットの基本であり、成長期の少女たちの減りにくい体脂肪を無理なく減らすことから始めて、今ではほとんどの方に通じる方法をメソッドとして提供できるところまで進められたのです。