251 不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のタイミングで体脂肪を減らす

食品に含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に大きく分けられます。不溶性食物繊維は野菜などに多く含まれるもので、水に溶けない性質があって、消化されないために、小腸から吸収もされません。そのままの形で胃から小腸を通過していきます。そして、大腸に到達すると腸内細菌によって分解されます。不溶性食物繊維が胃の中に多くあると消化液(胃液)が多く使われ、他のものが消化されにくくなることから、糖質の分解が遅くなり、ブドウ糖の吸収が遅れて、血糖値が上昇しにくくなります。
血糖は血液中のブドウ糖のことで、ブドウ糖が多くなると血糖値が上昇します。血糖値が高くなると膵臓からインスリンが分泌されて、ブドウ糖を細胞に取り込むのと同時に、肝臓で脂肪酸を合成する働きもします。不溶性食物繊維によって血糖値が上昇しにくくなるということは脂肪が合成されにくいということです。
水溶性食物繊維は、きのこ、海藻、果物などに多く含まれています。水溶性食物繊維は水を吸って膨らみ、粘度が高くなって、余分なブドウ糖や脂肪を吸着する働きがあります。粘度が高いことから分解されたブドウ糖がゆっくりと小腸へと運ばれていきます。そのためにブドウ糖の吸収が遅くなり、血糖値が上昇しにくくなります。このことから不溶性食物繊維を摂ったあとに水溶性食物繊維を摂ったほうがよいことになりますが、あえて食べる順番を変える必要はなくて、両方を摂ることを考えればよいのです。
水溶性食物繊維というと、コンニャクをあげている文献もあります。コンニャクは芋から粉にした段階では水溶性食物繊維の性質が強いのですが、凝固剤を使って固めると不溶性食物繊維となります。コンニャクは不溶性食物繊維であると意識して、きのこや海藻を食事で摂るようにするのが体脂肪を効果的に減らす方法だということを知っておいてほしいのです。