267 腎機能対策のウォーキング2

運動をすると、ブドウ糖が燃焼して血糖値が下がるだけでなく、インスリンの働きを高めることができます。血糖値を低下させるためには、インスリンの分泌量を増やすことと、インスリンの働きを高めることの二つの方法があります。
インスリンは血糖値が高まるほど分泌量が増えるという特徴があるため、インスリンを増やすことは容易ではありません。インスリンが多く分泌されれば、それだけブドウ糖を取り込むというわけではなく、インスリンの働きを阻害するアディポサイトカインが脂肪細胞から多く分泌されると、取り込みは低下します。そのアディポサイトカインは、運動によって減っていくので、運動をするとインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がっていくようになります。
逆に運動不足で太ってくると、インスリンの働きが低下してくるので、血糖値を下げるだけでなく、太りぎみの人は脂肪も効率よく燃焼させるように、運動を続けるようにしたいものです。
腎機能が低下してくると、血圧が高くなり、血管の負担が強くなっていきます。糖尿病と腎機能低下が重なると、血管の負担は、さらに強くなっていくようになります。血糖値や血圧の上昇のほかに生活習慣病に影響を与えるものとしては、中性脂肪とコレステロールがあげられます。中性脂肪もコレステロールも脂肪なので、食事で脂肪を減らせば血液中の数値を下げることができるように思われがちですが、ブドウ糖を多く含む、ご飯やパン、麺などの糖質を多く摂ると、これらの数値は上昇していきます。
というのは、血液中にブドウ糖が多くなると、膵臓でインスリンが多く分泌されるようになり、そのインスリンによって肝臓の中でブドウ糖は中性脂肪に合成され、コレステロールも増えていくようになるからです。血糖値が高くなりすぎないように運動をすることは、中性脂肪もコレステロールも減らして、動脈硬化などの生活習慣病を幅広く抑制することにもつながります。