280 ミネラルウォーターで便秘解消できるのか

ミネラルウォーターは便秘解消に役立つものとされています。一概にミネラルウォーターといっても種類があって、中身が違っています。農林水産省は「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」を制定していて、ガイドラインでは4つに分類されています。この種類によって、どの程度役立つのかも違っています。
ナチュラルウォーターは、特定の水源から採水された地下水を原水として、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の処理を行っていないものを指します。このナチュラルウォーターのうち、地中でミネラル分が溶解したものを原水としたものはナチュラルミネラルウォーターとなります。ナチュラルミネラルウォーターを原水として品質を安定させるために沈殿、濾過、加熱殺菌のほかに、オゾン殺菌、紫外線殺菌、ミネラル分調整、ブレンド、曝気などを行われたものはミネラルウォーターとなります。
上記の3種類のほかのものは飲用水またはボトルドウォーターとなります。これはわかりにくいかと思いますが、地下水でも地下水以外の水を変化させる処理を行ったものです。何らかの処理をされているのかと思ったら、処理方法は限定されていないので、水道水を容器に入れただけでもよいことになります。
一般にイメージされるミネラルウォーターはナチュラルミネラルウォーターのことで、天然成分としてのミネラルが豊富に含まれるものとされています。便通にプラスになるとされているのは、ヨーロッパのナチュラルミネラルウォーターで、特にフランスのようにカルシウムとマグネシウムが多い土壌では、自然に湧き出す水にもカルシウムとマグネシウムが豊富に含まれています。カルシウムには腸壁の蠕動運動を盛んにする作用があり、マグネシウムは便秘薬の成分ともなっています。マグネシウムは腸からは吸収されにくく、水分を集めやすいので、腸内の水を増やして便を軟らかくして、便通をよくする作用があります。
ミネラルウォーターを飲む場合にはミネラル分の多いものを選ぶようにします。表示を見ると、水道水よりもカルシウム、マグネシウムが少ないものもあるので注意が必要です。