287 体力を判断する年代別・性別の歩行距離

体力を測定するための簡単な方法として、厚生労働省は「健康づくりのための運動指針」で3分間で、どれくらいの距離を歩けるかの目標が示されています。年齢を重ねるほど早歩きができにくくなり、早歩きのスピードを3分間も保ちにくくなります。
男性の場合の年齢別の3分間の歩行距離は20歳代で375m、30歳代と40歳代で360m、50歳代と60歳代で345mとされています。この歩行速度(1分間の距離)は20歳代で125m、30歳代と40歳代で120m、50歳代と60歳代で115mとなっています。60歳を超えると急に歩行速度が落ちる人が多くなり、同じ60歳代でも60歳と69歳では相当に筋肉量と筋力が違っています。
女性の場合の年齢別の3分間の歩行距離は20歳代と30歳代で345m、40歳代で330m、50歳代で315m、60歳代で300mとされています。この歩行速度(1分間の距離)は20歳代と30歳代で115m、40歳代で110m、50歳代で105m、60歳代で105mとなっています。男女差をみると、女性は20歳代と30歳代の歩行距離が男性の50歳代と60歳代が同じということで、男性のほうが歩行のための筋力があることがわかります。
しかし、歩き慣れていないために50歳代以降の男性は、若い女性以下の体力になってくるということで、3分間の早歩きどころか、1分間も早歩きできないということにもなりかねません。ウォーキング教室では、楽しく無理をしないで歩きたいという希望が出ることがありますが、早歩きをしないと早歩きできなくなる、年齢を重ねてくると早歩きを意識していないと、だんだんと歩けなくなるということを伝えています。
筋繊維(筋肉細胞)は数が減ることはなく、加齢によって細くなるだけなので、運動をすると若いときと同じ状態に戻すことができるという特徴があります。しかし、筋肉量が減ってきている人に急に筋肉トレーニングをしてもらうのは無理があるので、まずは早歩きをすることをすすめています。