296 美しい姿勢には背筋をトレーニング

ウエストを細くしようとして腹筋運動に励む人は多くても、同時に背筋も鍛えようという人は少ないはずです。身体のバランスをみると、腹部のほうが多い感じなので腹筋のほうが多いように思われがちです。しかし、実際には背筋の割合のほうが多くなっています。理想的な割合は「背筋7:腹筋3」とされています。背筋を鍛える機会はあまり多くはないので、背筋の割合が5か6、場合によっては4という人もいます。
こうなると背筋で支えることができなくなって、前屈みの姿勢になってしまいます。前屈みになると背中が丸まり、腹部が上下から圧迫されて腹が出た感じになって、腹も丸くなるという不自然な姿勢になります。これでは美しくて、腰にも負担がかからないS字の姿勢がキープできなくなります。そのために重い頭が前に出るようになり、足が前に出にくくなるためにスタスタと元気に歩けなくなってしまいます。スタスタところか、転びやすくなり、摺り足状態の歩き方になってしまいます。日本人は草鞋を履いても歩けるような摺り足が歴史的な歩き方であったこともあって、足の運びが悪くなってくると、どうしても摺り足になりやすいことが指摘されています。
これを改善するためには背中を伸ばして、骨盤を起こして腹筋を締めるような姿勢を心がけます。腹筋が働きやすくなると、足が前に出やすくなり、歩幅も広がるようになります。背中を伸ばしても、肩が前に下がっていると腕の振りを前後に大きく動かすことができなくなります。肩を後方に引くようにすると胸が張られるようになり、ますます姿勢がよく見えます。
こういった姿勢で歩くと、腹筋が締まったまま骨盤が大きく動くようになり、ウエストのサイズに関わってくる腹横筋と腹斜筋が刺激されます。それと同時に、勢いよく歩くことによって背筋の刺激も強まって、内臓を腹筋と背筋で前後に引き締めるようにして歩くことができます。特別の背筋運動をしなくても、歩くだけで背筋をトレーニングすることができるようになるわけです。