298 子供のためのα‐リポ酸

三大ヒトケミカルのα‐リポ酸は体内で合成され、そのピークは20歳までです。そのため、20歳までの人は、細胞のミトコンドリアにブドウ糖を取り込むために必要となるα‐リポ酸をサプリメントで摂る必要はないとされています。しかし、体内でα‐リポ酸を合成するためには、その材料となるものが必要で、これが不足していたらα‐リポ酸も不足することになります。
α‐リポ酸は必須アミノ酸のヒスチジンから合成されるアミノ酸の一種です。ヒスチジンは発育には不可欠なアミノ酸で、体内で合成できるものの子供の場合は合成される量が少ないことから、ヒスチジンが多く含まれる鶏肉、牛肉、青魚を食べることがすすめられます。
ヒスチジンには発育のほかに、神経機能の補助、ストレスの軽減、集中力・記憶力の向上、抗酸化作用、肥満予防などの作用があります。こういったことにヒスチジンが使われると、体内で不足するためにα‐リポ酸に合成されにくくなります。
不足している人が補給を考えるときにはα‐リポ酸が含まれる食品を食べることも大切で、それに該当する食品としては動物の肝臓・腎臓、ほうれん草、にんじん、トマトがあげられます。
もっと不足する場合には20歳以下であってもサプリメントの補給も必要となります。α‐リポ酸のサプリメントは、体内で作用する天然型のR‐αリポ酸だけでなく、非天然型のS‐αリポ酸も使われています。その比率は1:1で、有効成分のはずの半分が体内では使われない無駄なものということになります。なぜ非天然型を使うのかというと、天然型は胃液で分解されるので、α‐リポ酸として吸収されなくなってしまうからです。
サプリメント製品の中には天然型のR‐αリポ酸を破壊されることなく、効率的に吸収させられるように加工したものがあります。それはシクロデキストリンによって包接させたもので、表示を見て、包接型となっているものを探すことです。
α‐リポ酸については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。