DNA Answer15 グレーゾーンの考え方

発達障害児の支援に携わっていると、発達障害と診断された子どもしか支援してくれないのかと聞かれることがあります。発達障害は国際的な診断基準があって、医師が問診や行動観察を行い、場合によっては心理検査や発達検査が行われます。

発達障害の該当者が多い自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害は、それぞれ状態が異なっているので、診断法も別々に設けられています。

発達障害と疑われる状態がありながらも、診断基準に達しない場合には、グレーゾーンとされます。その場合の診断基準というのは、それぞれの状態の低さというよりも、発達障害の診断基準にいくつか当てはまるものの、すべてを満たしているわけではないことから、発達障害と診断されないことを指しています。

発達障害の特性が出ていて、それが生活に困難さを生じさせていても、該当する項目が少ないだけのことです。発達障害ではないものの、定型発達でもない状態ということで、今後の成長や環境の変化によっては発達障害と診断されることもあれば、定型発達とされる場合もあるということです。

生活習慣病のように血液検査で得られた数値で判定されるものとは違って、医師の知識と経験によって診断に差があるのは仕方がないことで、その診断結果は、それこそグレーゾーンと指摘されるような曖昧さが潜んでいます。

発達障害児であっても、状況などによって特性が出にくくなったり、弱くなることはあって、そのときに診察を受けたら、発達障害がグレーゾーンと診断される、グレーゾーンが定型発達と診断されるということも起こり得ることです。

グレーゾーンは、発達障害の予備群とされることもあるのですが、生活習慣病の予備群とは明らかに異なっています。生活習慣病のほうの予備群は検査数値によって病気と診断されるところまでは進んでいないものの、そのままの生活を続けていたら生活習慣病に突入する可能性が非常に高い人たちを指しています。

これに対して発達障害のグレーゾーンは、周囲の環境や対応によって困難さの発生や本人の感じ方が変わってきます。状態に変化がなかったとしても、社会的障壁によって発達障害の状態が広がり、いつ発達障害と同じ困難さを抱えることになるかわからないのです。
DNA認定講習では、その点も踏まえて、発達障害の実態を伝えていくことを心がけています。
〔発達栄養指南:小林正人〕