体質改善

食品として摂取した糖質(デンプン)は消化酵素によって単糖のブドウ糖にまで分解され、小腸から吸収されて、肝臓や筋肉などの組織にグリコーゲンとして蓄えられます。それ以外のブドウ糖はエネルギー源として使われることになるわけですが、ミトコンドリアでブドウ糖がエネルギーに変換されるときには、体内に取り込まれた酸素を使わないままエネルギーとする解糖系の代謝と、酸素を使う有酸素系の代謝の2つの系統を経ています。
ブドウ糖は酵素の働きによってピルビン酸に変化し、その過程でエネルギーが発生します。これは解糖系の代謝でブドウ糖1分子当たり、2分子のエネルギー物質であるATP(アデノシン三リン酸)が発生します。酸素が使われない場合のほか、激しい運動によって酸素が不足したときにも解糖系のエネルギー代謝が行われます。ピルビン酸は酵素の働きによって補酵素のアセチルCoAに変換され、これがミトコンドリア内のTCA回路に入っていきます。このTCA回路でできたクエン酸が酸素との反応によって次々と変化し、二酸化炭素を発生させたあと、水と36分子のATPを発生させています。
体内には電池のようにATPを蓄積する組織はなく、常にエネルギーを作り出さなければならなりません。TCA回路で休みなく作り出されるATPの量は1日あたり50〜100kgにもなるとされています。体重と同じか、それ以上の量のATPが必要とされるだけに、不足すると身体活動に影響が出ると同時に、多くのATPを作り出すことによって生命維持だけでなく、全ての活動を充分に行うために重要であることが理解できます。
糖質がアセチルCoAに変換されるときにはα‐リポ酸が必要となります。また、脂質がアセチルCoAに変換されるときには糖質と同じ経路を辿っていますが、脂肪酸がミトコンドリアの膜を通過しなければなりません。脂肪酸はL‐カルニチンと結合して膜を通過することからアセチルCoAの変換にはL‐カルニチンが必要となっています。
TCA回路でアセチルCoAの燃焼を盛んにする働きをしているのが補酵素のコエンザイムQ10であり、α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は他に同じ働きをする成分が存在しないことから特に三大ヒトケミカルと呼ばれています。この代謝に欠かせない三大ヒトケミカルは体内で合成されるものの20歳代をピークに生体内合成量は減少し続け、その不足がエネルギー産生の低下を起こし、老化を進めていることが知られています。
三大ヒトケミカルは食品にも含まれているものの、体内で合成されることから食品からの吸収率は低くなっています。しかし、三大ヒトケミカルは、どれも医薬品として開発され、後に食品素材として使用することが認可されています。2001年にコエンザイムQ10が、2002年にL‐カルニチンが、2004年にα‐リポ酸が食品素材となり、サプリメントの素材として使われています。医薬品として研究されたことから有効性が明らかであり、一般の食品に比べて吸収性が高いことからエネルギー産生を高め、そのエネルギーを用いて全身の細胞を活性化させることができるようになっています。
エネルギー産生によって発生したATPは、まず生命維持のために使われています。生命維持のためのエネルギーは基礎代謝に使われていますが、全エネルギー量のうち約70%は基礎代謝となっています。基礎代謝のうち約70%は体熱の保持に使われています。
つまり、全エネルギー量のうち約半分は体熱を作り出すために使われていることになります。この他には筋肉や内臓、神経、脳の動きや免疫の維持といった働きに優先して使われるため、ATPの増加は健康維持・増進に直接的に結びつくことになるわけです。