体質改善

身の周りは活性酸素を発生させることばかり

 活性酸素は、免疫の一部を担っているといっても、身体に悪影響を与えるほど多量に発生しないようにしたいものです。しかし、それは不可能なことです。
 活性酸素が体内で多量に発生する要因としては、過剰な運動、農薬、食品添加物、薬剤、化学物質、排気ガス、タバコ、アルコール、紫外線、電磁波、放射線、体の傷や炎症、水道水の塩素、病原菌の侵入、酸化した食品、ストレスなどがあげられます。私たちは、活性酸素の多量発生を抑えることができない環境の中で暮らしているのです。

1)運動でエネルギー量が増えると発生
 活性酸素の発生量が多くなるのは運動をして大量のエネルギーを消費するときで、運動をして吸い込む酸素が多くなり、エネルギーを多く消費するほど発生量は増えます。歩くだけでも平常時(安静時)の1.5倍以上の活性酸素が発生し、軽いジョギング程度の運動をしたときでも、平常時の5倍以上の活性酸素が発生するといいます。
 ある教育系大学の卒業生の健康度を長期間にわたって追跡した調査で、文科系学部の卒業生と運動系学部の卒業生の寿命を比べたところ、運動系の卒業生のほうが平均で約6年も寿命が短くなっていた、という報告があります。運動をする人は一般には健康度は高いと考えられていますが、印象とは異なった結果になった大きな理由としてあげられているのが活性酸素の影響です。
 運動量が増えるにつれて体内で発生する活性酸素は増えるものの、活性酸素を消去する働きがあるSODなどの抗酸化酵素が作用するためには酸素が必要です。運動をしても最大酸素摂取量の75%ほどに達するまでは抗酸化酵素の働きが高まるので、活性酸素は、それほど多くはならないのです。75%のラインを超えると、活性酸素の発生量は急激に高まっていきます。

2)紫外線を浴びるだけで発生
 紫外線を浴びると表皮で多量の活性酸素が発生します。活性酸素の中でも特に毒性が強い一重項酸素が紫外線によって発生します。一重項酸素は表皮の細胞の細胞膜を酸化させて、過酸化脂質を発生させます。この過酸化脂質が、表皮に炎症を起こすとともに、表皮細胞の代謝を低下させて皮膚の老化を進めていきます。
 紫外線の害は皮膚だけではなく、目の水晶体にも大きな影響を与え、白内障を起こしやすくなります。白内障は眼球の水晶体が濁って、視力が低下し、悪化すると失明する病気です。紫外線は水晶体に吸収されやすく、紫外線を浴びる量が増えるほど水晶体のたんぱく質が変化して濁るようになります。白内障の一番の原因は老化ですが、原因の20%は活性酸素の影響とされています。
 紫外線が水晶体を通過するときに活性酸素が発生して、水晶体のたんぱく質を変性させるので、紫外線を浴びるほど水晶体が白く濁っていくようになるのです。

3)有害物質の分解時に発生
 身体にとって害になる農薬、食品添加物、薬剤、化学物質などは、その害を減らすために解毒をする肝臓などに負担がかかります。肝臓は有害物質の分解、解毒のために盛んに働いていますが、肝臓以外の各臓器の細胞も活発に代謝を繰り返して分解、解毒を行っています。そのときに多量の活性酸素が発生します。
 アルコールは肝臓に特に負担をかけますが、胃腸、腎臓の負担も高めます。また、アルコールはエネルギー量が高く、熱エネルギーを作り出すときに、活性酸素の発生量が多くなります。
 有害物質が体内に入ってくると、これらを白血球が取り込み、白血球は活性酸素を使って破壊、無害化していきます。破壊したあと白血球は次の有害物質を取り入れていきますが、このときに活性酸素が白血球から漏れ出て、体内の活性酸素を増やしていきます。有害物質が多いほど、白血球が破壊するほど活性酸素が増えていくわけです。

4)粘度の高い物質で白血球が働きすぎる
 白血球は有害物質を破壊するときに活性酸素を発生させますが、粘度が高いタバコのタールなどは白血球の中に残りやすく、これを処理するために繰り返し活性酸素を発生させます。そのためにタバコを吸うと活性酸素が大きく増えてしまいます。

5)浸透性の波長が細胞を直撃
 紫外線、電磁波、放射線は身体の中に浸透する特徴をもった波長で、細胞へと直接届き、細胞を傷つけていく作用があります。細胞が破壊されるときには活性酸素が多量に発生して、近くの細胞を次々に破壊していきます。

6)ストレスは血流を乱す
 ストレスが高まると、呼吸数と心拍数が増え、血圧が上がり、末梢血管が収縮する、といった身体の変化が起こります。ストレス状態は自律神経の交感神経の働きを活発にさせます。交感神経の働きが活発になって、興奮状態になったときには全身の働きが活発になり、活性酸素が多く発生するようになりますが、中でも特に活性酸素を発生させるのは末梢血管の収縮です。血管が収縮すると血液の流れが一時的に低下します。そのあとに元の状態に戻って血流が急に高まるときに活性酸素が多量に発生します。

7)糖尿病の糖化で活性酸素が発生
 血液中のブドウ糖(血糖)の量が過剰に多くなり、高血糖状態になったときには、糖化たんぱくができるようになります。赤血球の酸素を運搬するヘモグロビンはブドウ糖が多い状態では糖化して、ヘモグロビンA1cに変化します。この変化するときに活性酸素が多量に発生します。また、糖尿病では高血糖の影響によって血管の細胞にブドウ糖が浸透するようになり、浸透したブドウ糖は糖アルコールに変化します。細胞は水分量が一定のときに正常な代謝が行われます。ところが。糖アルコールが多くなった細胞は新陳代謝が正常に行われなくなるため、高血糖状態では血管の再生が遅れて、弾力性が徐々に失われていくようになります。そのため血流が低下して、血流が再び戻るときに活性酸素が多量に発生するようになるのです。

8)太っているだけで活性酸素の発生量が増える
 メタボリックシンドロームと診断されるほど太っている人は、活性酸素が常に多量に発生しています。身体には恒常性機能があり、常に元に戻ろうとする力が働いています。脂肪細胞に必要以上に体脂肪が多く蓄えられているのは、正常な状態ではないので、体脂肪を減らそうとします。そのときにストレスホルモンのアドレナリンが分泌されます。
 この脂肪細胞に蓄えられていた脂肪酸が血液中に放出され、それを燃焼させて減らすときにもアドレナリンが作用します。アドレナリンによって筋肉細胞内では脂肪の代謝が盛んになります。その盛んに脂肪が燃焼しているときに、活性酸素が多量に発生します。