体質改善

人間の身体は約60兆個の細胞から構成されているといいます。細胞の数は20歳をピークにして加齢につれて減少していくわけですが、38兆個以下になると寿命を迎えることになるとされています。細胞の数の減少は、生活習慣によって大きな影響を受け、健康的な生活習慣の人は細胞の減少が抑えられることから寿命を延ばすことができるようになる一方で、不健康な生活習慣の人は寿命が短くなる危険性が高いことになります。
生活習慣の中でも大きな影響を与えているのはプラス面では運動、睡眠、食事などで、これらを充分に確保することによって細胞の減少を抑えることができるわけですが、マイナス面である運動不足、睡眠不足、食事の偏り、喫煙、飲酒、ストレスなどによって逆に細胞の減少を大きく進めることにもなることが知られています。
生命維持のためには多くのエネルギーが必要であり、そのエネルギーが細胞の中のエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアによって作り出されているため、細胞の数が減ることはエネルギー不足を招き、生命を維持するためのエネルギーが不足していきます。38兆個という数は、生命維持のためのエネルギー量を確保するために必要な数ということになるわけです。
人間の場合は数多くの細胞によって構成され、それぞれの細胞が関わりを持って生命維持を行っていることから一つひとつの細胞の活動は、あまり注目されてこなかった時代もあります。しかし、細胞は一つひとつが独立した機能を有しており、その機能はミトコンドリアで産生されるエネルギーによって発揮されています。細胞は一つひとつが小さくても自らエネルギーを作り出し、そのエネルギーによって活動していることから、生命体そのものであるということが言えます。60兆個もの細胞は、たった一つの受精卵が分裂することによって20年かけて3兆個ずつ増加して、その数に達しているわけですが、分裂して倍々に増えたとすると46回の分裂で60兆個を越えることになります。
受精卵は2回分裂した後は、分化によって増えていくことになります。分裂したばかりの細胞は役割が決まっていなくて、分裂した後に役割が決まり、働きを得ることが分化が始まります。分化した細胞は他の細胞に分化することができず、約60兆個の細胞は約270種類の役割を果たす細胞に分化していくわけです。
約60兆個に達した後は、細胞は老化などの必要に応じて分裂していくことになりますが、細胞増植因子と抑制因子がコントロールして分裂にブレーキがかかっていることから分裂のたびに1個の細胞が増えるだけとなっています。抑制がかからなくなった場合にだけ倍々に増えていくことになるわけで、これに該当するのは急速に増殖していくがん細胞です。
細胞は、元の細胞をコピーする形で分裂していきますが、細胞を構成する核や小器官も同じ形、同じ働きで複製されます。小器官の中で最も重要な働きをするのが、エネルギー産生を行うミトコンドリアです。
細胞の数は加齢による減少を止めることはできないものの、約60兆個から減り始めていても、ミトコンドリアを増やすことで生命維持のためのエネルギーを確保することは可能となっています。細胞の中のミトコンドリアの数は部位によって決まっているわけではなく、必要に応じて細胞内で増えていくという特徴があります。運動をして筋肉が増えると、それに比例して筋肉の中のミトコンドリアも増えていくようになります。筋肉運動に限らず代謝が盛んになることによって現在の数では必要とするエネルギーが作り出すことができなくなると、数を増やして対応するようになっています。
運動をやり慣れていない人は体力が続かず、すぐに息切れしてバテてしまいます。しかし、運動を続けていると体力が高まり、以前よりも苦しさを感じずに運動をすることができるようになります。これは運動によってミトコンドリアが増えたためにエネルギーが多く作り出されたことを示しています。
ミトコンドリアの数を増やすことにも限界があることから、年齢を重ねることによって減少するエネルギー産生を保つためには二つの方法があります。一つはミトコンドリアの中で燃焼させる三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質を増やすことですが、年齢を重ねることによって充分に燃焼ができなくなると余ったエネルギー源は体脂肪として蓄積されていくことになります。充分に燃焼させることが一番のエネルギー量の確保の方法で、そのために必要となるのが三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。