Medical Diet32 ストレスで太る理由

「ストレス太り」という言葉があります。ストレスが溜まってくるとイライラして、ついつい食べすぎてしまうというのが一般に言われる要因です。ストレスを解消するためには脳のエネルギー源であるブドウ糖が有効で、甘いものを食べることで一時的にストレスが抑えられるようになります。それは一つの要因であって、ストレス解消を食べ物に求めなければ太るようなことはないように思われがちです。
ところが、食べるものの量が変わらなくても、ストレスを強く感じるだけで太ってくることがあり、そのメカニズムも解明されています。これはメディカルダイエットの講習のメインとなっているタイミングダイエットにも関連することです。
ストレスには精神的ストレスと肉体的ストレスがあります。どちらが原因であっても、ストレス状態は、そこから逃れようとする反応が起こります。その反応でダイエットと関わるのはエネルギーの確保です。その場から走って逃れようとするときには、すぐにエネルギー化されるブドウ糖が多く必要となります。しかし、食事から時間が経過していると血液中のブドウ糖の量は少なくなっています。
そのままでは走って逃げることができなくなることから、筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンが分解されて、血液中にブドウ糖が放出されます。走って逃げるためであれば、このブドウ糖を消費して、血液中のブドウ糖が長時間に渡って濃い状態にならないようにすることはできます。しかし、精神的なストレスであった場合には、それほど多くのブドウ糖は必要にはなりません。
血液中で余った状態になったブドウ糖は、肝臓に運ばれて、そこで脂肪酸に合成されます。そして、脂肪酸が3個結びついたエネルギー蓄積のための中性脂肪となって、脂肪細胞の中に蓄えられていきます。つまり、精神的なストレスが強まったときには、筋肉のグリコーゲンが減り、脂肪細胞の中の中性脂肪が増えるということになります。これが続くと、筋肉が少なくなり、太ってしまうということになるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)