Medical Diet90 日本人はレプチン抵抗性で太りやすい

日本人が太りやすい体質である原因の一つとしてレプチンの抵抗性があげられます。
レプチンは食欲を調整するホルモンで、日本人はレプチンが分泌されやすい体質となっています。ホルモンは少量で機能を発揮させることから、わずかな分泌の変化でも身体に大きな影響を与えます。
レプチンには満腹を感じさせる作用があり、正常に働くことで食欲が抑制されています。
レプチンは脂肪細胞から分泌されており、脂肪細胞内の体脂肪が増えると分泌量が高まっていきます。レプチンは、脳の視床下部に作用し、満腹中枢の働きを高めて食欲を抑制する働きをしています。また、レプチンには自律神経の交感神経にも働きかけ、中性脂肪の蓄積を抑制して、エネルギー消費を亢進する作用もあります。
脂肪細胞に中性脂肪が多く蓄積される状態は、生体機能を正常に働かせるには妨げとなることから、脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が増えるほど、レプチンが多く分泌されるようになります。この機能が正常に機能していれば過剰な肥満は起こらないはずです。
ところが、肥満と指摘されるほど太った人の血液中のレプチン量を測定すると、非常に多く、分泌量が多くなっていることがわかります。
それにも関わらず体脂肪が多く蓄積されるのは、視床下部でレプチンを受け取る受容体の反応が充分に働いていないからです。この状態がレプチン抵抗性と呼ばれます。つまり、レプチン抵抗性の人は、満腹サインが出ていながら、それを感じることができずに、食欲が抑えられなくなっているわけです。
日本人はレプチン抵抗性の人が多く、それが太りやすくなる大きな原因とされているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)