エゾウコギ

北海道東部とロシアや中国の北部の一部にのみ自生している薬用ニンジン(高麗人参や田七人参)と同じウコギ科の薬用ニンジンで、シベリア人参、アダプトゲンとも呼ばれます。ロシアでは「命の根」を意味するエレウテロコックス、中国ではウコギの樹皮を用いた生薬が刺五加(五加皮)と呼ばれています。ウコギ科の植物にはサポニン配糖体が含まれ、強壮・強精作用、抗ストレス作用、疲労回復作用、免疫強化作用などがあります。エゾウコギの根や葉に含まれる7種類の配糖体の薬理効果は、薬用ニンジンの6倍を超えるといわれます。1960年にソビエト科学アカデミーのブレフマン博士が「エレウテロコックの薬効は薬用ニンジンよりも優れている」と評価してから、エゾウコギに関する研究が大きく進みました。1980年に開催されたモスクワオリンピックで旧ソ連の選手がエゾウコギを飲んで活躍したことから話題となり、世界のスポーツ界から注目を集め、スポーツ界から一般へと愛用者が増えた特異な素材として知られています。日本国内では、モスクワオリンピックの結果を受けて、筑波大学の運動部員を対象に試験が行われ、エゾウコギを使用したグループは総運動量が23%、運動時間が16%、最大酸素摂取量が12%も増大したとの結果が得られています。この結果から、激しい運動時に細胞内の酸素の利用率が高められ、限界能力を改善強化することが確認されています。