ノコギリヤシ

北米原産のヤシ科シュロ属の低木で、ノコギリヤシの名前はノコギリ状のギザギザした葉の形からつけられました。健康食品に使われているのは、秋に実る濃赤色の実のエキスです。そのためノコギリヤシエキスとも呼ばれます。この果実は北米のネイティブアメリカンには食用とされてきましたが、男性の強壮、利尿、鎮静効果がある民間薬として使われ、ヨーロッパではエキスが医薬品の成分として使われています。強壮と利尿に役立つとされるのは、前立腺に作用するからです。前立腺は膀胱の下側の尿道を包むようにある腺組織で、精子以外の精液を作り出す役割があり、男性ホルモンによって肥大が進んでいきます。血液中の男性ホルモン濃度が高いときには前立腺の男性ホルモンの取り込みは一定量に保たれていますが、中年期以降になって男性ホルモン濃度が低下すると急に前立腺が男性ホルモンを多く取り込むようになり、前立腺肥大となっていきます。前立腺肥大では尿道が圧迫されるために尿が出にくくなり、夜間にトイレのために目覚めることが多くなります。前立腺の肥大が抑えられることで、尿の状態を改善することが期待できます。