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健康目標として「30」が掲げられた時代があります。健康づくりの3要素の食事・運動・休養のうち、厚生労働省の運動の担当者からは30分の運動習慣、休養の担当者からは夕食と就寝の間に30分の休息時間という提案がありました。

食事のほうでは、夕食に30分の時間をかけるということが検討されたこともあったのですが、現実的ではないということで、「30」だけを活かして1日に30食品を食べるという目標が掲げられました。

30分の運動習慣というのは、1日に1万歩という目標とも重なっています。過食になっているのに運動不足ということで、300kcalほどの食事の摂取過剰となっている時代がありました。

当時の1日の歩数の平均は7000歩ほどで、1000歩を歩くと100kcalと計算して、300kcalを消費するには3000歩を増やせばよいということで、1万歩となりました。

歩数は身体活動の重要な指標となっているわけですが、10年ほどで歩数はすべての年齢層で、1日当たり1000歩ほど減少しています。減少分をエネルギー消費量に換算すると1日当たり30kcalほどととなり、この状態が1年間続くと個人差はあるものの1~1.5kgの体重増加に相当します。

1000歩の歩行を行うには10分間ほどかかることから、『健康づくりのための身体活動基準2013』では「プラス・テン(今より10分多く体を動かしましょう)」をキャッチフレーズに、「16~64歳は1日60分」、「65歳以上は1日40分」と運動時間の目標を定めています。

『健康づくりのための身体活動基準2013』では、「身体活動」は、「生活活動」と運動に分けられます。生活活動とは、日常生活における労働、家事、通勤・通学などの身体活動を指します。また、運動とは、スポーツ等の特に体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施し、継続性のある身体活動を指しています。

目標は3メッツ以上の強度で、「3メッツ以上の強度の身体活動」とは歩行またはそれと同等以上の身体活動であり、「3メッツ以上の強度の運動」とは息が弾み、汗をかく程度の運動を指しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

日本メディカルダイエット支援機構は、健康科学情報センターと健康ペンクラブの事業を掛け合わせて特定非営利活動法人(NPO法人)として2008年に設立しました。健康科学情報センターは臨床栄養学、生理学、運動科学、薬理学、法学などの研究者によって設立され、東京の虎ノ門に事務所を設けていました。

当時は臨床栄養に基づいた情報発信に力を入れていて、その大家の先生のためのデスクを置いたところ、関係団体の会合の場となって、多いときには5団体の会議や作業の場にもなっていました。

無償で提供していたのですが、それでは多く、長く使うときに気づかいしすぎるからと、先生から家賃の一部を提供したいとの申し出があり、月々3万円を出してもらうことになりました。

そのときから使われる回数も、集まる人数も増えて、ほとんど占領されて、元のメンバーが近くのカフェで作業をするようなこともありました。そのことを知った顔見知りの栄養士さんから、「お茶代くらい出るでしょ」と言われました。その言葉の意味を聞いたら、5団体が先生に使用代を払っていて、それが私のオフィスの家賃の一部になっていると思っていたようです。

続けて、「先生も2万円くらい払っているのか」とも聞かれました。その言葉の意味を聞いたところ、各団体は1万円ずつ払っていて合計5万円で、それに先生がプラスしていると聞いていたようです。

実際には2万円を差し引いていたわけですが、そのことを知った栄養士さんから出たのが今回のタイトルの「ああ、やっぱり」でした。5団体とも先生が立ち上げて、会長も務めていたこともあったのですが、その団体活動の中でも「ああ、やっぱり」と言いたくなるようなことがあったとのことです。

もともと私たちが全額を支払って、利用してもらって、情報交流していきたいという気持ちで始めたことなので問題にすることはなかったのですが、事実だけは各団体の代表に伝えておきました。その後は、使用回数は減ったものの、オフィスを移るまでは使われ続けた、というか“情報交流”は続きました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

他人の掌(てのひら)で動いていたのでは小さなことしかできないということは、お釈迦様の掌にたとえられます。これは西遊記の一節で、孫悟空が觔斗雲(きんとうん)に乗って遠くまで行き、その証拠として柱に名前を書いて戻ってきたら、その柱がお釈迦様の指だったという逸話です。

觔斗雲よりも筋斗雲(きんとううん)のほうが馴染みがある漢字かもしれませんが、筋斗雲はドラゴンボールに出てくる雲で、西遊記では中国語の觔斗雲です。

それほどお釈迦様(釈尊)は大きな存在で、生まれたときから違っていました。何しろ誕生してすぐに立ち上がり、7歩歩いて右手で天を指し、左手で地を指して、「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん)と言ったというのですから。

唯我独尊は「唯(ただ)、我、独り(ひとり)として尊し」という意味で、天上天下にただ一人、誰とも代わることができない尊い存在であることを生まれながらにして発見したとされます。

私は母の実家のお寺(出雲崎町、良寛和尚の出生地)で4月8日(お釈迦様の誕生日と同じ)に生まれ、幼いときには親元を離れてお寺で過ごしていたので、読むもの、祖母に読んでもらうものは、こんな仏教の逸話ばかりでした。

東京で学んだのはインド哲学で有名な東洋大学で、図書館には仏教関係の書籍だらけで、子どものころの記憶は、いくらでもアップデートできる環境でした。

「天上天下唯我独尊」は、平たく言えば「人生の主役」ということで、お釈迦様だけでなく、すべての仏教に帰依する(仏教の教えのまま生きること)は人生の主役であり、生きていることが尊いということを指し示しています。

中には間違った解釈をする人もいて、「この世で自分ほど偉いものはいない」と自惚れることもあり、これを戒めるために「天上天下唯我独尊」が使われることもあります。お釈迦様でもない人間が、そのようなことを考えるのではない、という発想です。

しかし、他人の掌で踊らされているのではなく、自分が人生の主役になるという意識というか覚悟は重要で、主役となって脇役を引き上げ、一緒に人生という舞台を作り上げていこうということを伝える独創的な発想として「天上天下唯我独尊」を伝えさせてもらっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)のうち脂質は撮り過ぎを控えるべきものと考えられがちです。脂質は油脂(中性脂肪)、脂肪酸、コレステロールなどの総称のことですが、一般には動物性食品に含まれる中性脂肪、植物性食品に含まれる脂肪酸を指しています。

脂肪はエネルギー量が高くて、1gあたり約9kcalと糖質やたんぱく質の2倍以上のエネルギー量があります。それだけに脂肪を多く摂取すると体内の脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が多くなりやすく、それが生活習慣病の要因になることも確かです。

しかし、エネルギー量が多いということは、これをエネルギー源として代謝すれば多くのエネルギーを作り出して、これを身体活動や細胞内で必要な物質を作り出すことができるようになります。

脂肪が健康にマイナスになるのか、それともプラスになるのかは、エネルギー代謝の高め方次第ということになります。

発達障害では心身に負担がかかっていることからエネルギーの消費量が多く、体脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)が少なくなりやすいので、脂肪の摂取は重要になります。それは間違いがないことですが、発達障害では自律神経の働きが乱れやすく、そのために腸内環境が乱れやすい子どもは、脂肪の摂取量に配慮する必要があります。

発達障害では自律神経の副交感神経の働きが低いことから、副交感神経によって盛んになる腸の蠕動運動も低下して、便通が悪くなりがちです。便通が悪くなる、もう一つの要素は腸内細菌の善玉菌の減少、悪玉菌の増加です。

悪玉菌の主な栄養源(エサ)となるのは動物性たんぱく質と脂肪です。肉食、魚食が多いと両方の摂取量が多くなって、悪玉菌が増えやすく、善玉菌が増えにくくなります。

エネルギー不足の子どもには、脂肪でエネルギー摂取を増やすよりも、糖質での摂取を増やすことがすすめられます。というのは、糖質は善玉菌の主な栄養源となっているからです。

「親ガチャ」という言われたくない言葉を取り上げながら、最後は子どもの食事の大切さを伝えないと孫に「祖父(ジジ)ガチャ」「祖母(ババ)ガチャ」と言われかねないという発展させすぎのことを前回は書きました。

「親ガチャ」があるなら「子ガチャ」もあるのではないかというのは、「親ガチャ」という言葉が広まったインターネットの世界に登場してきています。親が選べないのと同様に、子どもも選べないという意味で使われているようです。

「親ガチャ」は家庭環境が選べない、生活レベルが選べないという意味で使われるのに対して、「子ガチャ」のほうは子どもの優劣を指すことが多くて、これも「親ガチャ」と同じように言われたくないし、言いたくもない言葉です。

子どもにとっては親の家庭環境は人生を大きく左右することであるわけですが、超高齢社会においては親の幸せは子どもの学歴や仕事内容にも左右されることです。それは金銭的なことだけではなくて、親を大切にする子どもか、社会に迷惑をかけないように生きてくれる子どもかということも意味しています。

生まれてくる子どもの才能(資質や能力)は親が選べるものではありません。優秀な親には優秀や子どもが生まれるという考え方もあって、遺伝を考えて結婚相手を選ぶということも当たり前のように行われてきたことです。

優れた子どもが生まれてくるのか、それとも凡庸な子どもが生まれてくるのかは運任せで、がっかりする結果もあるという考えから「子ガチャ」と言っている親もいます。

「親ガチャ」は1回きりの選択ですが、「子ガチャ」のほうは再チャレンジのチャンスがないわけではないものの、子どもの数が減り続けている現状を考えると、そう簡単に再チャレンジを言うようなことではありません。

子どもは持って生まれた才能があったとしても、それを花開かせるのは親の役割です。親だけに頼るのではなく、祖父母の支援も重要です。子育てに口出しをしてほしくない、出すのはお金だけにしてほしいという意見があるのは承知しています。

しかし、長寿社会になって終戦直後(78年前)に比べると平均寿命が30年以上も延びた時代だけに、祖父母の経験が親の子育てに役立ち、それが子どもの才能を伸ばすとなると、「子ガチャ」などと言っている場合ではなくて、他にやるべきことがいくらでもあるだろうと言いたくなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

医療や健康の世界は日進月歩で、現場を少し離れていただけでも“浦島太郎状態”になるというのは、海外の災害支援などで医療現場を離れた人たちがよく口にすることです。

どんな世界でも変化は激しく、中でもコロナ禍のような未曾有の状態が続いたことで、技術や情報だけでなく、社会の捉え方が変化して、これまでの手法が通じなくなることがあります。それこそ健康情報についても未曾有な状態になっていると考えられます。

専門分野の世界にいれば多くの情報が入ってくるので、情報から取り残されることはなくなります。しかし、健康の分野は医学、生理学、薬学、栄養学、理学、心理学、運動科学などといった分野だけの学習と情報だけではカバーしきれない多様性があります。

すべての分野の情報を得ることは、情報過多の時代には不可能に近くなっています。これに少しでも対応しようと日本メディカルダイエット支援機構が専門家向けに発信しているのが「健康情報メール」です。NPO法人(特定非営利活動法人)として内閣府から認証されたのは2008年で、そのときから試験的に情報発信を始めて、2010年4月には毎週1回の本格発信(各40本ほど)をスタートさせています。

発信先も医師、研究者、団体役員、健康関連業種、福祉関連業種、メディアなどとさまざまであるので、それぞれに適した情報をピックアップしていると範囲が多岐に渡ります。長く続けていると正しいとされてきた情報が変化することもわかり、それほど期間が空いていない時期に異なる結果が発表されることもわかってきます。

それだけに今の情報は正しいものとして伝えていると間違いを犯すことになることも、発信先の専門家は気づいています。「健康情報メール」は膨大な発表データの一部でしかなくて、私どもの方向性に近いものが多くなりがちなものの、これに刺激された専門家は健康リテラシーをさらに高めて、専門分野の情報の中から正しい情報、役立つ情報、患者などに自信をもって実践をすすめられるようになっていくのも実感してきました。

その健康情報の発信者の健康リテラシーの向上は、健康情報を伝えられる方々(患者や受講者など)の健康リテラシーの向上にもつながると信じて、「健康情報メール」を続けています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

エネルギー代謝は細胞の中のミトコンドリアにあるTCA回路で行われています。そこに辿り着くまでには脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれることが必要になります。脂肪が分解されて脂肪酸になれば自動的に取り込まれるわけではなくて、脂肪酸は単独ではミトコンドリアの膜を通過することができません。

通過するときには脂肪酸はL‐カルニチンと結びつく必要があります。そのためL‐カルニチンは、体内で必須アミノ酸(リシンとメチオニン)から合成されています。その合成のピークは20歳代前半で、それ以降は合成が減る一方になります。

その分だけ、ミトコンドリアに取り込まれる脂肪酸が減り、その脂肪酸は肝臓で中性脂肪に合成されて、脂肪細胞の中に蓄積されていくことになります。年齢を重ねると、同じ食事、同じ運動をしていても太っていくようになるのは、そのためです。

L‐カルニチンは、以前は医薬品の成分でしたが、2002年に食品の成分としても使うことが許可されて、サプリメントとして摂ることができるようになりました。医薬品ではカルニチン欠乏症に使われる成分です。

L‐カルニチンの研究成果を国に提出して食品の成分として使えるようにしたのは、スイスに本社がある製薬会社の日本企業のロンザです。日本メディカルダイエット支援機構の副理事長は、ロンザのニュートリション部長であったL‐カルニチン研究の第一人者です。

その協力もあって、日本メディカルダイエット支援機構は2003年から20年にわたって、代謝促進成分のL‐カルニチンとエネルギー代謝に必要な水溶性ビタミンの研究に取り組んできました。

ちなみに他の代謝促進成分はコエンザイムQ10(2001年に許可)、α‐リポ酸(2004年に許可)です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

特定非営利活動法人(NPO法人)日本メディカルダイエット支援機構の理事長として、その肩書きで日本メディカルダイエット支援機構のホームページに書き加えてきましたが、似たような名称のメディカルダイエットアコードも、これからは登場します。アコード(accord)は調和を意味しています。

スポーツの世界にはスポーツアコード(Sports Accord)というスポーツの国際機構や競技団体を統括する世界最大の組織があります。聞き馴染みがない人には国際スポーツ団体連合や国際スポーツ連盟機構といった日本での呼び名を示すこともあるのですが、それでも聞き馴染みがない人には組織を説明するようにしています。

スポーツアコードが組織する国際機構は、オリンピック、パラリンピック、ワールドゲームズ、ワールドマスターゲームズ、ユニバーシアード、スペシャルオリンピックスなどで、競技団体は各スポーツの国際団体(国際サッカー連盟=FIFAなど)で、これらの団体・競技団体が加盟しています。

IOC(国際オリンピック委員会)の認証団体であり、IOCの公認団体はスポーツアコードの加盟団体であるという条件がつけられています。スポーツアコードの認証団体のうちオリンピックに採用されている競技以外で構成されているのがワールドゲームズです。

スポーツアコードのアコード(Accord)も調和を意味しています。すべてのスポーツ競技団体の調和が、世界の平和や健康の維持・増進などの基本とされています。決して、スポーツを通じて何かを牛耳るというようなものではないのです。

スポーツアコードと調和について拘りをもっているのは、日本ワールドゲームズ協会の会長(全日本ボウリング協会名誉会長)が、公益財団法人日本健康スポーツ連盟の副理事長であり、私は日本メディカルダイエット支援機構の理事長として日本健康スポーツ連盟の理事を務めていた関係もあって、交流をしてきたことがあります。

「メディカル×ダイエット」の活動は、食事と運動を中心に据えていて、スポーツも重要な取り組みではあるのですが、この活動はアコード=調和の考えに基づいていることを示したいことから、「メディカル×ダイエット」を活動名としています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

健康診断を受けて、生活習慣病であることが指摘されても、その先の受診まで進まない人は少なくありません。生活習慣病は肥満症、高血圧症、糖尿病、脂質異常症が多く、どれも血管にダメージを与えるものです。そのリスクが高いことがわかったら、できるだけ早く受診をして、場合によっては治療を始めることが大切になります。

ところが、血管のダメージはイメージしにくいところがあり、生活習慣病は初期段階では自覚症状がないため、生活習慣病の恐ろしさを理解していないと、そのまま放置することにおなりかねません。

健康診断で血糖値が高いことから糖尿病を指摘されても、実際に受診しない人は40%を超えています。糖尿病の診断に使われる血糖値は、当日や前日に食べたものに含まれる糖質(ブドウ糖)の量に影響されることがあるため、そのせいであると考えてしまうこともあります。さらに危険性がわかっていなければ、放置する人が多いことも当然かもしれません。

糖尿病は、高血糖状態のために細くてもろい毛細血管の老化が進み、それによって発症するのが三大合併症の網膜症、腎症、神経障害です。これは網膜、腎臓、神経には毛細血管が密集していて症状が起こりやすいからですが、そのときには動脈硬化も始まっています。動脈硬化が進むと心疾患(狭心症、心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)が起こり、ここまで進行すると医療に頼るしかなくなります。

治検(治療用語検定)を始めたのは、検査用語と生活習慣病に関する治療用語を知って、リスクに気づき、早めに対処する人を増やしたいということがありました。それによって、本人も家族も職場も健康のまま過ごして、地域においても健康を維持する人が多くなってほしいとの願いがあるからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

“体質”は便利な言葉です。健康や医療の世界では、不調の原因がわからないときに、精密検査をして原因を追求することもなく、詳細な問診(聞き取り)をすることもしないで、“体質”のせいにすることがあります。

「あなたは冷え体質だから身体を温めるものを食べるように」とか「身体を冷やさないように」と医師などの専門家から指摘されて、それぞれの専門家が得意分野の治療や療法などを実施してきます。体質の改善ということで、病名も告げられないまま治療薬を出されたという例もあります。

患者に告げないだけで、医薬品の処方には病名を書き入れなければいけないので、そこには「体質」ではなく、それなりの病名が書かれます。中には「病名が明らかではないので、とりあえず」と言って書き入れる医師がいるのも事実です。

体質は、「遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成されるもの」であるので、悪いことばかりではないのですが、「体質だから仕方がない」といった感じで悪いことを示すときに使われることが多いことから、あまりよい印象の言葉ではないと感じる人もいます。

体質についてのコラムの連載を始めることを親しい医師に伝えたときにも、「イメージのよくないことを書くのか」と言われました。その医師には、20年前にメディカルダイエットの研究を始めたときにも「ダイエットという言葉にはよくない印象がある」と言われたことを思い出しました。

確かに医療の専門家からは、虚弱体質、アレルギー体質、特異体質、風邪をひきやすい体質といったマイナスイメージの言葉がよく聞かれます。医療の世界のイメージが引きずられていて、他の世界でも腐敗体質、隠蔽(いんぺい)体質、金権体質、談合体質といったように悪いことのイメージで使われています。

そして、よくなるために“体質改善”がすすめられるわけですが、これも悪いことを抑えていくというスタンスで、よい体質を高めていこうということを、あまり見聞きしたことがありません。

「体質との調和」というテーマは、悪いことに合わせるという意味ではなくて、よい体質とすること、持って生まれた体質を活かしていくというスタンスで書き進めていきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕